Intelのゲーム向けGPUの主力であるArc B580に、生産終了の可能性があるとのリークが出ており、これを否定する声も上がっています。ただ、生産終了にならなくても、同じGPUはAI推論で需要があるワークステーション向けのArc Proシリーズに優先的に割り当てられ、Arc B580への割り当ては絞られるとみられます。
Arc B580に生産終了のリーク。否定の声も上がる
Arc B580は、Battlemage世代のゲーム向けGPUとして2024年12月に米国で249ドル、国内では12月14日に49,980円から発売された、12GBのGDDR6とXeコア20基を積む普及帯のモデルです。Arc B580は、Battlemageの上位GPUであるBMG-G31がゲーム向けには出ず、2026年3月にワークステーション向けのArc Pro B70とArc Pro B65として発売されたため、下位のArc B570と合わせて2モデルしかないIntelの現行ゲーム向けデスクトップGPUの中で、今も最上位にとどまっています。
そんな中、リーカーのHaze氏によると、IntelはArc B580の生産を終了する可能性があり、AI推論向けの需要が強いArc Proシリーズ、なかでもArc Pro B50へ生産を振り向けるとのことで、生産終了の時期は示されていません。一方で、WccftechによるとNVIDIA・AMD・Intelのいずれも現行世代のGPUを生産終了にしないとしており、公式には生産は続けられる見通しのようです。
Arc B580は生産終了でなくても供給が絞られる見通し
Arc B580に使われるBMG-G21は約272mm²と、RTX 4060のGPU(約159mm²)の約1.7倍の大きさがあるため、249ドルのArc B580は発売時から利益がほとんど出ない価格とされていました。同じBMG-G21を使うArc Proは、2025年9月に発売されたArc Pro B50が349ドルとArc B580より100ドル高く、Arc B580と同じXeコア20基で24GBのArc Pro B60が599ドルと約2.4倍の値です。
Arc Proとして売れば1個あたりの売上はArc B580より大きくなるうえ、Arc Pro B50はその値でも発売直後に米Neweggのワークステーション向けGPUの売れ筋1位になっています。
GeForce RTX 5090向けのGB202が、約8倍の値で売れるRTX PRO 5500に回され、NVIDIAが10月16日に生産終了を否定した後もAIBがGPUを新たに注文できなくなったのと同じく、Intelも生産終了にするかどうかとは別に、AI推論向けに売れるArc ProへBMG-G21を優先し、Arc B580への割り当てを絞るとみられます。
国内のArc B580は値上がりと品薄に。IntelのゲームArcの行方は
国内のArc B580は、10月の大半で最安値が発売時とほぼ同じ4万9,800円でしたが、10月21日から上がり始め、11月2日には7万2,763円と発売時の約1.5倍になっています。在庫のある製品も9月中旬の4製品から減り、10月30日以降は1製品だけです。GeForce RTX 5060 8GBの最安値は11月3日に7万9,218円と、Arc B580との差が約6,500円しかないものの、在庫のある製品は17製品あります。
BMG-G21のArc Proへの振り向けが続けば、下位のArc B570も同じGPUを使うため、Arc B580と同じ扱いになる可能性があります。次世代のXe3P(Celestial)ではゲーム向けのArc Cシリーズが開発中止となり、ディスクリートGPUはAI・ワークステーション向けのCrescent Islandに限られ、Xe4(Druid)でもゲーム向けは決まっていないため、Battlemageが最後のIntelのゲーム向けデスクトップGPUになる可能性が高そうです。生産終了にならなくても割り当てが絞られれば、国内のArc B580は、生産終了が否定されたまま供給が絞られたRTX 5090のように、入荷が少ない中で値上がりが続く見通しです。


