AMDが、これまでグラフィックカードなどの単体GPUに限られていたFSR 4を、年末にGPU内蔵のAPUやゲーミングノートPC、携帯ゲーミングPCへ広げる方針を明らかにしました。内蔵GPU向けの軽量モデルは開発済みで、販売中の既存APUも対象になります。
FSR 4が年末にAPUへ対応。内蔵GPU向けの軽量モデルは開発済み
FSR 4は機械学習を使うAMDのアップスケーリング技術で、最新のFSR 4.1はRadeon RX 9000に続き、6月にRX 7000でも正式に使えるようになりました。ただ、対象は単体GPUに限られており、Ryzen AI 300/400やRyzen Z2 ExtremeのようなAPUでは、内蔵GPUでFSR 4を使えないままでした。
APUが対象から外れていたのは内蔵GPUの制約によるもので、メインメモリをビデオメモリとして共有するため、メモリ帯域は約120GB/sで、Radeon RX 9070 XTの600GB/s超より狭くなっています。演算ユニットや使える電力も限られることから、アップスケーリングの処理が描画性能を食って効果が出にくい点がハードルとされており、AMDも6月初めには提供する計画はないとしていました。
ただ、AMDは6月下旬にこの方針を改め、処理を軽くした内蔵GPU専用の機械学習モデルを開発すると表明しました。この軽量モデルの提供先にはRyzen AI 300/400とRyzen AI MAXが挙げられていましたが、時期は示されていませんでした。
そんな中、AMDのJack Huynh氏が10月7日、韓国メディアに対し、単体GPUに先行して導入してきたFSR 4を、年末にAPU、ゲーミングノートPC、携帯ゲーミングPCなどへ広げると述べました。6月には「開発する」としていた軽量モデルもAPU向けの専用モデルとしてすでに開発済みで、画質やフレームレートの数値は示していないものの、優れた画質と低い遅延に重点を置いたと説明しています。
販売中のRyzen AI搭載機も対象に。RDNA 4mの新APUは年明けの見通し
さらに、同氏はAPUへの対応を「既存のAPU」と「新製品の投入」の2方向で進めるとしており、このうち既存のAPUには今回の軽量モデルを提供します。6月に提供先とされたRyzen AI搭載機に加え、同じ世代の内蔵GPU「RDNA 3.5」を積むRyzen Z2 Extremeの携帯ゲーミングPCでも、年末からFSR 4を使えるとみられます。
もう一方の新製品は、RDNA 3.5を土台にFSR 4が使う演算命令(FP8)を加えた内蔵GPU「RDNA 4m」を積むAPUを指すと考えられます。これを積むZen 6世代のノートPC向けAPU「Medusa Point」は、2027年1月のCES 2027で発表され、直後に投入される見通しで、同じ設計を携帯機向けに組み直すRyzen Z3も含め、搭載機を買えるのは年明けになります。
6月初めの時点では、APUでFSR 4を使うにはZen 6世代まで待つしかないとみられていましたが、軽量モデルが用意されたことで、年末商戦に現行のRyzen AI搭載機や携帯ゲーミングPCを買ってもFSR 4を使えるようになる見通しです。年明けにはRDNA 4mを積む新しいAPUも加わるため、2027年はAMDのAPUを積むノートPCや携帯ゲーミングPCでも、FSR 4を使える環境が広がります。


