AMDがAPU向けの未発表内蔵GPU「RDNA 4m」を実際に動作させるためのファームウェアを、Linuxの公開リポジトリへ登録したことが明らかになりました。
RDNA 4mはLinuxで動く状態に
RDNA 4mは、RDNA 3.5(GFX 11.5)とRDNA 4(GFX 12.0)の中間にあたるGFX 11.7というIP番号を持つ内蔵GPUで、2026年2月にLinux向けシェーダーコンパイラーへGFX1170が追加された際、この名称で区分されているのが初めて確認されました。その後も3月にはGPU IDが2つ追加されて3モデル構成であることが判明し、8月上旬には2モデル目が描画ドライバーへ対応するなど、ソフトウェア側の対応が段階を踏んで進んできました。
8月21日には、こうした対応の仕上げにあたるファームウェアがlinux-firmwareリポジトリへ登録されました。追加されたのはGFX 11.7.0とGFX 11.7.1の2モデル分で、GPU本体用のファームウェアがそれぞれ7ファイル含まれています。ファームウェアは各Linuxディストリビューションがドライバーと合わせて同梱するために必要な部品で、これが登録されたことにより、コンパイラー・カーネル・描画ドライバーと続いてきた一連の対応が一通り出そろい、GPUの起動にも対応できる状態になっています。なお、今回登録されたファームウェアにはGFX 11.7.2向けのファイルは含まれておらず、3モデルの間で実装や投入時期に差がある可能性があります。
今回の登録にはGPU本体のほかにも、表示エンジンのDCN 4.2や映像処理エンジンのVPE 2.0.0のファームウェアが含まれています。表示エンジンはRDNA 4世代のDCN 4.0.1に対してバージョンアップされており、映像処理エンジンも現行APU世代のVPE 6.1系とは番号体系の異なる新系列にあたるため、RDNA 4mではシェーダー部分だけでなく周辺のエンジンまで世代が更新されるとみられます。なお、表示エンジンについてはRDNA 5向けにDCN 6の対応もすでに始まっており、DCN 4.2はDCN 4.0.1とDCN 6の間に位置するエンジンになるとみられています。
Zen 6登場時からLinux対応が可能に
AMDは従来、こうしたファームウェアを製品の発売時か発売後に投入していましたが、近年は前倒しで公開し、各ディストリビューションへ事前に取り込まれるようになってきています。今回も発売前の段階でファームウェアまで出そろったことで、発売時点までに各ディストリビューションへ標準で取り込まれ、Linux環境では初期から動作する状態が用意されると考えられます。
なお、RDNA 4mの搭載が見込まれるZen 6世代のノートPC向けAPU「Medusa Point」は、すでにES品のベンチマークが7月までに4度確認されており、2027年1月開催のCES 2027で正式発表が行われ、その直後に投入が予定されています。そのため、すでに開発は終盤に差し掛かっているとみられています。


