サムスンがスマホ向けHBMを開発中。次世代Exynosに搭載もメモリ需要をさらに押し上げる懸念も

サムスンがスマホ向けHBMを開発中。次世代Exynosに搭載もメモリ需要をさらに押し上げる懸念も

サムスンが、スマートフォンなどモバイル機器向けに高帯域・大容量のHBMを実現する次世代パッケージング技術「Multi Stacked FOWLP」を開発していることが、明らかになりました。

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サムスンがモバイル向けHBMの新パッケージング技術を開発

スマートフォンではLPDDRが用いられていますが、銅線のワイヤーボンディングは入出力端子数が128〜256個程度に限られ、信号損失や電力・発熱効率の面でもHBM級の広帯域を実現するには不十分とされています。ただ、HBMはサーバーやAIアクセラレーター向けではすでに普及していますが、スマートフォンやタブレットといったモバイル機器はサイズや厚み、消費電力、発熱の制約がはるかに厳しく、同じ構成をそのまま持ち込むことはできません。そのため、ローカルAIでの動作にはスマートフォンでは制約がある状況です。

VCSを進化させた極高アスペクト比の銅ピラー

サムスンはこの課題への対策として、DRAMダイを階段状に積層し銅の柱(銅ピラー)で垂直に接続するVCS(Vertical Cu-post Stack)技術をすでに公開していました。この技術はワイヤーボンディングに頼らずダイ同士を直接つなぐことで端子数を大きく増やせるため、モバイルの限られた実装スペースのなかでもHBM級の広帯域を狙えるようになります。

今回の新技術はこのVCSをさらに発展させたもので、銅ピラーのアスペクト比(縦横比)を従来の3〜5対1から15〜20対1へと細長くし、同じ面積により多くの入出力端子を配置することで、帯域幅をさらに広げています。ただ、銅ピラーの直系が10マイクロメートルを下回ると曲がりや折れが生じやすくなるため、サムスンはこれを補う手段としてFOWLP(Fan-Out Wafer Level Packaging)を組み合わせています。

FOWLPはチップを樹脂で覆ったうえで配線を外側へ展開する技術で、細くなった銅ピラーを物理的に支える土台として働きます。こうした組み合わせにより、従来のVCSと比べてモバイル向けHBMの帯域幅は15〜30%向上し、積層数も1.5倍以上に高められるとのことです。

投入時期はExynos 2800後期版以降か

同技術はまだ開発段階にあるため量産や商用化の時期を特定することは難しいものの、早ければExynos 2800の後期バージョン、あるいはExynos 2900から投入される可能性があるとの見方が出ています。一方で、サーバーやデータセンター、AIアクセラレーター向けのHBM需要が当面は堅調に推移する見通しであることから、モバイル向けHBMの開発・量産ペースは当初のロードマップより遅れるとの指摘もあります。こうした技術ロードマップは、サムスンがメモリ事業を低コスト・高効率よりも性能と安定性を軸とした高付加価値路線に寄せていることの表れと見るのが自然です。

ただし、こうした広帯域を実際に活かすにはスマートフォン側にも大容量のメモリ搭載が前提となります。DRAMの供給逼迫が続く現状を踏まえると、この技術が実用化されても、当面は実際の製品への採用が進みにくいといえそうです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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