Qualcommが次世代チップセット「Snapdragon 8 Elite Gen 6」をサムスンファウンドリの2nmプロセス(SF2)で生産委託する方向で最終調整に入っていることが、韓国経済新聞により明らかにされています。
QualcommのSnapdragon 8 Elite Gen 6がサムスン2nmでも生産へ
Qualcommは2022年のSnapdragon 8 Gen 1以降、最先端チップセットの生産は歩留まりや技術力の観点からTSMCに一本化してきました。しかし、Qualcomm CEOのAmon氏は2026年1月のCES 2026で「サムスンとの2nm委託生産について協議を開始しており、設計作業も完了している」ことを明らかにしていました。そうした中で、4月21日に同氏は韓国でサムスンファウンドリの事業部長であるHan Jin-man氏と直接会談したことが明らかになっており、具体化に向けた動きが本格化したとみられます。
ただ、2026年4月12日時点ではサムスン2nmの歩留まり不足からTSMC軸に回帰する可能性があるとも報じられており、10日ほどの間で報道の方向性が入れ替わる形となっています。そのため、最終的な製造体制は現時点では流動的な状況です。
歩留まり改善とTSMC値上げがSamsung回帰の背景に
Qualcommは度々サムスンファウンドリでの製造を検討したものの、歩留まりおよび発熱面の課題から採用には至りませんでした。しかし、最新鋭のSF2プロセスではこれらの課題の改善が見られているようで、2025年7月にはTeslaから165億ドル(約2.4兆円)規模の次世代AIチップ「AI6」の生産を受注するなど、ファウンドリとしての実績も積み上がっています。
さらに、Qualcommが長年製造委託しているTSMCを巡ってはAI需要を背景に生産枠の調整に苦慮しているほか、製造コストも大きく跳ね上がっており、これもサムスンファウンドリ採用の後押しになったとみられています。
なお、今回の会談によりQualcommがサムスンファウンドリを採用する可能性は高まっているものの、正式契約までには数か月単位の時間がかかる見通しです。そのため、実際にサムスンファウンドリで製造されるSnapdragon 8 Elite Gen 6は2026年後半以降となる見込みで、初回ロットはTSMC製となり、サムスンファウンドリ製は遅れて投入されると考えられます。

