Arrow Lake-Sの性能向上率はシングルコアが3%、マルチコアが15%に。Raptor Lake不具合が尾を引いている?
Intelが2024年秋に発売を予定しているArrow Lake-Sについてはここ最近仕様に関するリークが連発している状況なのですが、今回このArrow Lake-Sが先代Raptor Lakeに対してどれだけ性能が向上するのか、大まかな向上率に関するリーク情報が登場しました。
With ES2 (preliminarily), it’s +3% ST, +15% MT (marketing numbers, although it corresponds with my experience).
— Jaykihn (@jaykihn0) July 7, 2024
That said, who knows how it’ll evolve over QS and the next few months.
Moreover, that 6+8 CPU-Z “leak” is indeed fake.
現在、IntelではES2品の最上位構成の8P+16EコアのArrow Lake-Sの性能についてRaptor Lake-Sとの比較が行われており、その結果はシングルコアは3%、マルチスレッドで15%の向上とマーケティング上で謳う事ができる性能を記録しているようです。この時の消費電力は両方とも250Wに設定された状態で計測され、動作クロックもそれぞれ最適な値に設定されているとのことです。
今回登場したArrow Lake-Sの性能はちょうど1年ぐらい前に登場したIntel社内での見積もり値に近い値になっています。ただ、シングルコアに関しては見積もり段階では9~13%だったものが今回は5%向上と引き下げられています。
このシングルコア5%、マルチコア15%向上と言う値を過去世代のCPUと比べてみるとあまり高いものではなく、Raptor Lake世代の最上位モデル、Intel Core i9-13900Kは先代のAlder Lake-S世代の最上位モデルのCore i9-12900Kに対してシングルコアでは10%以上、マルチコアでは40%となっています。
また、Raptor Lakeに対して動作クロックだけ上げたRaptor Lake Refreshでもシングルコアの向上率は3.5%を記録しているため、Arrow Lake-Sの暫定的とは言え想定されているシングルコア5%向上と言うのはかなり小さな性能向上率と言えます。
IntelではAlder Lake以降、マルチコア性能も向上させていますが、マーケティングではゲーミング時に重要視されるシングルコア性能をアピールすることが多く、実際にAlder LakeからRaptor Lakeに切り替わった際には大幅な向上を実現し、リフレッシュモデルでも動作クロックを無理やり上げて3.5%を絞り出すなどシングルコア重視の姿勢を貫いていました。しかし、その結果Raptor Lakeで問題になっている不具合に直面したため、Arrow Lakeでは動作クロックを無理やり上げてシングルコア性能を上げる姿勢は改めた可能性があります。
ただ、この辺りはまだES2品で計測された値と言う事で、QSや市販版では動作クロックがまた引き上げられる可能性もあります。そのため、最終的にはシングルコアは5%ぐらい、マルチコアでは20%近い向上を記録できるなど今回明らかになった情報よりも高い性能になることが期待されています。
Intel Arrow Lake-Sの性能については過去には40%を超えるようなマルチコア性能向上が見られるというリークがありましたが、どうやらこれは間違っていたようで、現実ではマルチコアは20%前後の向上に留まるようです。今回、E-Core側の性能がかなり上がるなど期待はされていましたが、それでもP-Coreには敵わず、8P+16Eと言う構成を取っている限りマルチコア性能が飛躍的に上がる事は無いと言えそうです。
シングルコア性能については5%ぐらい向上と言う事で、AMDがZen 4からZen 5でほぼ同じ動作クロックで16%向上を記録している事を考えるとかなり小さくなっています。
今回の結果はあくまでES2品で実際の性能はもっと高い可能性もありますが、仮にこれに近い値で登場するとRyzen 9000X3Dなどには太刀打ちできなくなるので、発売までにもう少し性能向上が行われる事が期待されます。
Jaykihn | X (Twitter)
補足情報
Intel Arrow Lakeはデスクトップ向けCPUとしては初めてタイルアーキテクチャーを採用したCPUになり、ソケットもLGA1700からLGA1851に切り替えられます。
製品ジャンル | メーカー | 製品名 | 発売予定時期 |
---|---|---|---|
CPU | Intel | Intel Core Ultra 200 (Arrow Lake) | 2024年10月以降 |
コメント
コメント一覧 (1件)
本当に要らない
もうIntelには技術的な手札もないか、コストかけたくなくて甘んじてるのか