AMDではここ最近はTSMCの先端プロセスを用いてCPUやGPUが製造されていましたが、TSMCの先端プロセスにおけるキャパシティーが不足している事を背景に、AMDの次世代製品の一部ではサムスン製4nmプロセスが採用される可能性が出てきているようです。
AMDの次世代CPUやGPUの一部製品はSamsung 4nmを使用する可能性。原因はTSMCのキャパ不足か
AMDではここ最近発売しているCPUやGPUではTSMCの先端プロセスを用いて製造が行われてきており、TSMCの最新かつ安定したプロセスでの製造請負で、RyzenシリーズではIntelよりも微細化された7nmや5nmをいち早く採用することで、高い歩留りとコストパフォーマンスそして、優れたパフォーマンスで圧倒していました。
しかし、近年TSMCについては大量の発注を掛けるAppleに対する露骨な優遇や、5nm以降では歩留りや生産量が若干停滞しているほか、中国が台湾に軍事的な行動を起こす可能性があるなど地政学リスクへの懸念が出てきています。
そのためか、AMDについては2021年頃から将来的に登場する製品の一部をサムスン電子で製造する事が検討されている話や、2023年には7nmなど古いプロセスの製品をサムスンに製造してもらうという話が登場しましたが、どうやらAMDはサムスンの先端プロセスである4nmについて使用する事を決定したようで、今後登場する一部次世代製品で使われる可能性が出てきているようです。
AMD signed to use Samsung Foundry 4nm pic.twitter.com/FuWFJLpvjY
— Connor / 코너 / コナー (@OreXda) May 1, 2023
韓国のリーカーである@OreXda氏によると、AMDはSamsung電子の4nm使用について署名したとのことです。この情報はDigitimesなどでは報じられてはいませんが、過去に何度もAMDとSamsungが接触していたり、上述のようにサムスン電子のファウンドリ―を使うという話が出ていた事を考えると、既定路線であったと言える出来事と言えそうです。
AMDに関してはCES 2023にて発表がされ、当初は2023年3月に発売が予定されていたRyzen 7040シリーズについて、TSMCのキャパシティー不足が原因で発売時期が後ろ倒しにされていると言われています。また、TSMCでは年々シリコンウェハーの価格を値上げしていたり、地政学上リスクも懸念されている事から、Qualcommなどではサムスン電子とTSMCの2社で量産を行うデュアルソーシングアプローチが用いられています。そのため、AMDとしても4nmを採用する次世代製品においては一部はTSMC、一部はサムスン電子で製造などデュアルソーシングが用いられるものと見られています。
Samsungが製造する4nmプロセスについて歩留まりが30%台であることや4nmなのに電力効率が低いなどトラブルを抱えておりQualcommは数ヶ月でTSMCに乗り換えるなどしていました。しかし、そこから4nmについては何度か改善が加えられており、現在は第3世代の4nm LPP+と呼ばれるノードが最新鋭となっており比較的安定した歩留りと性能を発揮できるようになってきているとのことです。
なお、AMDでは4nm製品については2023年に登場するRyzen 7040シリーズはTSMC 4nmで製造が行われますが、2023年末に登場するPhoenix 2や2024年登場のStrixシリーズやGranite Ridgeについては4nmである事以外あまり情報がありません。ただし、AMDがサムスン4nmにオールインするとは考えられないため、恐らく生産規模として比較的少ないPhoenix 2やPhoenixの改良版に当たるHawk PointなどでSamsung 4nmを使った製品が試験的に登場すると考えられます。

