Zen 6世代のノートPC向けRyzenになる「Medusa Point」の試作品がGeekbench 7に初めて登場し、シングルコアのスコアでデスクトップ向けのRyzen 9 9950X3Dを上回りました。同じ10コアの現行ノートPC向けRyzenと比べると、シングルコアとマルチコアのどちらも3割を大きく超えて伸びています。
Medusa PointはGeekbench 7のシングルでRyzen 9 9950X3Dを上回る
Zen 6世代のノートPC向けAPU「Medusa Point」は、Zen 6×4、Zen 6c×4、低電力コア×2の計10コアを積むとされ、2027年に投入される見込みです。試作品は3月以降、Geekbench 6に何度も登録されてきましたが、採点の仕組みも測る処理も違うGeekbench 7の結果とは、スコアを直接比べられません。

そんな中、Lenovoの試作機に載ったMedusa Pointが、11月4〜5日にWindows 11版のGeekbench 7へ初めて登録され、シングルコアで3,100、マルチコアで18,313を記録しました。シングルコアは、Geekbench 7の平均が3,051のRyzen 9 9950X3Dを約2%上回るものの、3,131のRyzen 7 9850X3Dには届いていません。
Medusa Pointは同じ10コアのRyzen AI 9 365を約4割上回る性能
| CPU | コア数 | シングルコア | マルチコア |
|---|---|---|---|
| Ryzen 7 9850X3D | 8 | 3,131 | 19,483 |
| Medusa Point(試作品) | 10 | 3,100 | 18,313 |
| Ryzen 9 9950X3D | 16 | 3,051 | 26,356 |
| Ryzen AI 9 HX 470 | 12 | 2,667 | 16,892 |
| Ryzen AI 9 365 | 10 | 2,225 | 13,489 |
Medusa Pointは、高性能コアの数もコア数もZen 5×4+Zen 5c×6を積む現行のRyzen AI 9 365と同じ構成になっています。今回のスコアは、その平均をシングルコアで約39%、マルチコアで約36%上回っています。Ryzen AI 400シリーズの上位モデルでコアが2基多いRyzen AI 9 HX 470と比べると差は縮むものの、それぞれシングルでは約16%、マルチコアでは約8%上回ります。
EPYC向けにコアを小さくして数を増やしたZen 6cは、同じ4.1GHzのZen 5をシングルコアで16.5%上回っており、Zen 6のコアは1クロックあたり十数%伸びると見込まれています。9950X3DがZen 5のコアを最大5.7GHzで動かしているのに対し、Medusa Pointはそれより低いノートPC向けのクロックでも、この1クロックあたりの性能向上で差を埋めて並んだとみられます。。
Medusa Pointの試作品は同じ個体でスコアが倍近くばらつく
同じ試作品の結果は5件登録されており、今回のスコアはそのうちの最高で、低いものではシングルコアが1,560、マルチコアが11,575にとどまります。記録上の最大クロックも1,996MHzとスコアに見合わない値で、7月の試作品も2,152MHzと記録されていたように、読み違いとみられます。L3キャッシュも3月と7月の試作品の32MBから半分の16MBで記録されており、AMDが構成の違う試作品を試している可能性があるため、今回のスコアは製品版の構成とクロックが決まる前の数字です。
Medusa Pointは、デスクトップ向けのZen 6世代Ryzenと合わせて、2027年1月のCES 2027で発表される見込みです。現行のRyzen AI 400シリーズがZen 5のStrix Pointを小幅に改良したモデルにとどまったのに対し、Medusa Point搭載のノートPCではCPUのコアがZen 6に替わります。内蔵GPUのRDNA 4mは、FSR 4用の演算が加わるものの描画を受け持つ部分はRDNA 3.5とほぼ同じため、CPUの性能が大きく伸びる一方で、描画性能は据え置きに近い世代交代になりそうです。


