
2026年上半期の世界スマートフォン向けSoC出荷が、前年同期比で15%減少したことが明らかになりました。特にQualcommとMediaTekは、2社そろって25%超の急落となっています。
メモリ高騰でSoC出荷が急減。QualcommとMediaTekが打撃
世界のスマートフォン市場では、メモリ価格の高騰を主因とする端末の値上げで需要の縮小が続いていますが、調査会社Counterpoint Researchが7月28日付で公表した最新レポートは、その影響が部品の上流にあたるSoCの出荷まで広がっている実態を明らかにしました。
同社によると、出荷減少の背景にあるのはメモリコストの上昇で、値上がりした端末を前にスマホメーカーは在庫を慎重に絞り、消費者の買い替えサイクルも長期化しているとのことです。スマートフォン向けメモリの価格は2026年第2四半期には前年同期比で300%超も上昇しており、端末コストを押し上げている主因はスペックの向上ではなくメモリだと同社は指摘しています。
このメモリ価格を巡っては、2026年第3四半期には値上げ幅の鈍化が予測されていますが、鈍化の理由は供給不足の解消ではなく、消費者がこれ以上の値上げを受け入れられなくなったことによる頭打ちで、端末需要が上向く材料にはなっていません。

こうした需要減の打撃が集中したのが、メモリを外部から調達するQualcommとMediaTekの2社です。シェアはMediaTekが前年同期の37%から32%へ、Qualcommが26%から22%へと後退したとされており、端末メーカーの発注減がそのままシェアに現れています。
AppleやGoogleなど自社チップ勢とUNISOCが伸長
Apple・Samsung・Google・UNISOCの4社は同じ期間に出荷を伸ばし、特にAppleはiPhone 17シリーズの好調を追い風にシェアを4ポイント高めたとのことです。この明暗を分けたのは製品力ではなくサプライチェーンの構造で、メモリをグループ内で生産・優先確保できるSamsungとApple、自社端末専用にSoCを設計するGoogleは、需要減の直撃を避けられました。
一方でUNISOCの伸長は、エントリー向けスマホはメモリだけで原価の6割超を占めるところまで追い込まれている中で、コストを下げるためにUNISOC製の安価なチップを求める動きが加速しているようです。加えて、同社はPocoやRedmiとの協業で5G版の採用も進めており、低コストを武器にシェアを伸ばしているようです。
なお、Counterpointによると2026年通年でもスマホ向けSoC出荷は14%減、エントリー向けに限れば最大30%減になると予測しており、メモリ価格の正常化も2027年下半期より前に出荷台数の回復は見込めないとしています。
加えてQualcommは、9月1日出荷分からチップ供給価格を2桁%引き上げることを顧客へ通知済みで、各社は出荷台数の減少を単価で補うと見られています。そのため、少なくとも2026年に加え、2027年も端末価格が下がる材料は当面なく、スマートフォンの高値と、エントリーモデルの選択肢の縮小はまだしばらく続くことになります。


