AMD Ryzen 9 9950Xの空冷でのベンチマークが登場。性能はCore i9-14900KSを10%上回る

AMD Ryzen 9 9950Xの空冷状態でのベンチマーク結果が登場。Core i9-14900KSを10%上回る

AMDでは、Zen 5アーキテクチャを採用するデスクトップ向けCPUのフラッグシップモデル、Ryzen 9 9950Xを2024年8月15日に発売予定です。このRyzen 9 9950Xのレビュー用サンプルを用いて、空冷状態でのベンチマーク結果が登場しました。

Ryzen 9 9950Xは、Zen 5を8コア内蔵するCCDを2基搭載するCPUで、合計16コア、32スレッドで構成されています。キャッシュ容量は、L2キャッシュが各コアに1MBで合計16MB、L3キャッシュは各CCDに32MBで合計64MB、全体では80MBのキャッシュ容量を持ちます。動作クロックはベースクロックが4.3 GHz、ブースト時の最大クロックが5.7 GHzに設定されており、TDPは170W、ブースト時の消費電力（PPT）は最大230Wです。

9950X

Cooler: deepcool AG620

Source: QQ pic.twitter.com/mpKbPyXqba

— HXL (@9550pro) July 29, 2024

中国のSNSに投稿された情報によると、Ryzen 9 9950Xに12cmファンを2つ搭載した空冷クーラーのDeepcool AG620で冷却した状態で、Cinebench R23ベンチマークのマルチコアスコアは44901ポイントを記録しています。

ベンチマーク結果では、先代のRyzen 9 7950Xの定格状態に対して約20%、PBO状態に対して約18%高いスコアを記録しています。このスコアの伸び率からすると、過去に登場したBlenderベンチマークの結果から、おそらくPBOは無効のデフォルト状態で計測されていると考えられます。

他のCPUと比較すると、Core i9-14900KSに対して電力無制限状態で約6%、定格状態で約9%、Core i9-14900Kに対して約16%高いスコアを記録しています。

電力効率では、Ryzen 9 7950Xの定格状態に対して20%、PBO状態に対して28%向上しています。また、IntelのCore i9-14900KSの電力無制限状態に対して129%、定格状態に対して77%、Core i9-14900Kに対して42%上回る結果となっています。

今回のRyzen 9 9950Xのベンチマークでは詳細な設定は明らかにされていませんが、PBOやクロック固定などが入っている可能性もあります。6,000円程度の空冷クーラーで、水冷クーラーが必須なCore i9-14900KSを超える性能を発揮している点は驚異的です。

Ryzen 9 9950Xを含むRyzen 9000シリーズは、CPUパッケージの刻印に誤記が見つかったため、当初の発売予定だった7月31日から遅れ、Ryzen 5 9600XとRyzen 7 9700Xは8月8日、Ryzen 9 9900XとRyzen 9 9950Xは8月15日に発売予定となっています。日本では前者が8月9日、後者が8月16日に発売される見込みです。