Radeon RX 9070 XT 発売延期はNVIDIAに流されない戦略への方針転換のため
AMDのRadeon RX 9070 XTやRX 9070については具体的な発売日は公式発表されていませんでしたが、1月24日に発売されるとリークされており、レビューアー向けにサンプルが既に出荷されていたり、量販店へ在庫が渡っている状態でした。しかし、AMDは1月21日にRadeon RX 9000シリーズを3月頃に発売することを正式発表しましたが、土壇場でなぜ発売が大きく延期される事態になったのかMoore’s Law is Deadのリークで明らかにされています。
AMDでは特にRDNA3世代でNVIDIAに対抗する姿勢を鮮明に示しており、Radeon RX 7900 XTXやRX 7900 XTなどはRTX 4090やRTX 4080発売に合わせて急ピッチで準備が進められていたそうです。実際に、Radeon RX 7900 XTXやXTに関しては休日出勤も実施された状態で発売準備が行われていたようですが、ドライバーの不具合やリファレンスクーラーの不具合など発売後の評価はイマイチと言う結果でした。
RDNA3以降の開発に関しては後任としてJack Huynh氏がコンシューマー向けグラフィックスカードなどの担当として抜擢されたのですが、Huynh氏はNVIDIAのDLSS 4やGeForce RTX 5000シリーズの技術に対してAMDがNVIDIAのペースに合わせて開発し、発売することはリソース的に不可能であるとし、AMDが完璧な製品を発売できるタイミングで発売することが重要であるという方針を取っているそうです。
その結果、NVIDIAに対抗するためだけに発売を急ぐ方針は改めることを鮮明にしており、CES 2025の基調講演でもRDNA4に関する発表をすべてカットする決断もHuynh氏の判断で行われた可能性が高いようです。
AMDのグラフィックカードに関しては数年前まではNVIDIAと対抗できるだけのスペックや性能を兼ね備えたモデルもラインアップされていましたが、ここ数年間はハードウェア性能で劣っているほか、DLSSなどソフトウェア面でもNVIDIAに対して優位性を示すことが出来ていません。一方で、販売面では価格をNVIDIA並みの設定にしたり、発売時期もNVIDIAに近づけるなど勝負する姿勢を示していました。
しかし、直近2年の決算ではAMDのゲーミングセグメント売上高や収益率が右肩下がりになるほか、SteamハードウェアサーベイでもNVIDIAに対して大きな差をつけてしまうなど結果を出せていない状況が鮮明でした。そのため、今回RDNA4の発売を3月に延期するなどNVIDIAと真っ向から勝負せず、AMDのペースで新製品をリリースするなど今までとは異なるアプローチで販売を伸ばす戦略は方針として上手くいく可能性もあります。特に重要となる価格戦略も現状について性能やソフトウェア面でAMDはNVIDIAに劣っていることも認識しているため、NVIDIAよりコストパフォーマンスの優位性を示す出来れば再びRadeonのシェアも伸ばすこともが可能になると言えますので、その第一弾となるRadeon RX 9070 XTとRX 9070については販売価格そしてその売れ行きに注目が集まりそうです。
AMD RX 9070 XT Delay Explained | Nvidia RTX 5090 Review Benchmark Leak & Analysis | Moore’s Law is Dead
コメント
コメント一覧 (4件)
全体のリソースが違うから仕方ないよね。
無理にNvidiaに合わせて満足行かない製品を出されるくらいなら、少しズレてもちゃんと満足の行く製品を出して欲しい。
AMDは、CPUもそうだけど競合製品に対抗すう意識が強いのはわかるんだけど、それをあまりにも追求した結果、市場が満足できない商品を投入したり、競合製品製造会社が自社製品を普及させるためにハードウェアだけでなくソフトウェア開発環境も提供していた時期にAMDはソフトウェアライブラリだけ提供、ソフトウェア開発環境はご自身でというような態度で挑んでいたので結果的に競合製品に最適化されたソフトウェアが市場にあふれ、AMDも競合製品に合わせた商品を市場に投入することになったりという失態を過去に犯しているから、AMDにはハードウェアとソフトウェアの両方を提供して欲しいし、その為には競合製品に対抗意識丸出しで競合製品の発表にぶつける形で新製品発表という無理はやめても良いと思う。
それならばRTXの発売時期に不具合のない製品とソフトウェアを用意しなければ先に発売された物を買われ、後に発売することにより売れなくなる
優れた製品とサービスをライバルより先に発売することにより競争力を得る
プランから実行までがマイペースすぎる
その間にRadeonを買うかも知れなかった客がRTX購入に流れるだろう
シェアを取られ発売日も遅れてるので余程安くしない限り
まさかここまで焦らすとは…
スペック・価格共に公表されていなくて情報が揺れてるなか、コスパ良いのか判断するのは不可能(憶測の域を出ない)
しかも、ワイルズで一定の需要が見込めると思っていたが、発売日まで間に合わず。
恐らく、競合となるRTX5070、RTX5070tiに
流れる可能性が高い。
難しい戦いを強いられるのは間違いない。
つまり「未完成状態のままで無理に発売を強行しない」「(供給的にも)十分に安定した状態になってから発売する」ということでしょうかね