最大7Wで15GB/sの速度を発揮するPCIe Gen 5 NVMe SSDをWestern Digitalが披露
PCIe Gen 5対応NVMe SSDでは14 GB/sを超える速度を実現する代わりに高性能なメモリーコントローラーを搭載するため発熱が大きく巨大なヒートシンクやファン付きクーラーなどを備える必要があります。しかし、NVMe SSDなどストレージ製品を作るWestern Digitalはストレージ関連の見本市であるFMS 2024において自社開発の省電力なメモリーコントローラーを2つ披露し、省電力性と高いパフォーマンスの両立した製品を近々市場に投入することを明らかにしています。
Western Digitalが披露したのはハイエンドとミドルレンジ向けPCIe Gen 5対応NVMe SSDで、この2つの製品には独自開発のコントローラーが搭載されているとのことです。
実機デモではIOMeterを用いて連続読み取りを行っていますが、ハイエンドモデルでは最大15GB/sと言う超高速な読み取り速度を実現する一方で、消費電力は6.5Wと低めに推移しているため、現行のハイエンドモデルでありがちな巨大なヒートシンクを搭載しない状態でも高いパフォーマンスを実現できると言えそうです。
メインストリーム向けモデルでも同様のデモを行っていますが、こちらはDRAMレスでありながら最大10 GB/sと言う読み取り性能を実現しつつも、消費電力は5W近辺で推移するなどより消費電力低減に振ったモデルになっており低発熱化と相まってバッテリー駆動で動作するノートPCにおいて最適な製品になっています。
なおこの自社開発のメモリーコントローラーでは上述の通り15GB/s程度の連続読み取り性能を持つほか、200万以上のランダムリードIOPsを達成しているとのことで、Phison E26を超えるパフォーマンスを発揮しています。
このWestern Digital製PCIe Gen 5対応NVMe SSDがいつ市場投入されるかは不明ですが、既にデモ機も存在していることから早ければ年内に新製品が発表され、2025年初めには販売が開始されると考えられます。なお、この製品ではコントローラーからNAND含めてすべてWestern Digital自社開発品を採用しているため、競合のPCIe Gen 5 NVMe SSDに比べて高いコストパフォーマンスを発揮する可能性もあり、販売価格にも注目が集まりそうです。
Western Digital Previews M.2 2280 PCIe 5.0 x4 NVMe Client SSDs: 15GBps at Under 7 Watts | AnandTech
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