今年前半はノートPCメーカーにIntel 18Aで作るPanther Lakeを使うよう求めていたIntelが、その18Aの生産枠を、サーバー向けXeon 6を作るIntel 3に切り替えることを明らかにしました。メモリの値上がりでPCが売れなくなったため、その分をAI需要で不足が続くサーバー向けCPUの増産に回します。
Panther Lake向けだった18Aの枠を、Xeon 6を作るIntel 3へ
Intelは2026年に入ってから、AI需要に押されてIntel 7などの生産能力をサーバー向けに優先して回しており、Raptor Lakeなどが品薄になる中、5月にはその代わりとしてPanther LakeをノートPCメーカーに使うよう求めていると報じられていました。
そんな中、Intelは10月29日(米国時間)の7〜9月期決算説明会で、オレゴン州の工場で主にPanther Lakeを作る予定だったIntel 18Aの生産枠を、Xeon 6(Granite Rapids)を作るIntel 3に切り替え、2027年後半から生産を始めるとしています。
Panther Lakeの生産を減らすのは、メモリの値上がりと品薄でPCが売れなくなっているためで、Intelは2026年のPC出荷台数を市場全体で約12%減、下半期だけなら20%以上減と見込んでいます。自社のクライアント部門の売上も7〜9月期に前の四半期から9%減り、10〜12月期はPCメーカーの在庫圧縮でさらに20%以上減る見通しのため、PC向けのウエハーの投入を絞っています。
サーバー向けCPUは2027年も足りない見通し
一方、サーバー向けはAIが複数の手順をこなすエージェント型AIの広がりでCPUが足りず、データセンター向け部門の売上は7〜9月期に前年同期比で約8割増えました。そのうちIntel 3で作るGranite Rapidsは最も大きい製品群で、粗利率を押し上げる製品でもありますが、Panther Lakeの粗利率はまだ全社平均を下回っています。
Intelはサーバー向けCPUの出荷台数が業界全体で2026年、2027年とも30%以上伸びるとみていますが、供給不足は2028年に入っても続く見通しで、Intel 3での生産が始まるまでは顧客の求める量を満たしきれないとしています。
自作向けCPUは値上がりせず、Nova Lake-Sの生産も減らない見込み
自作向けのIntel製CPUの国内最安値は、8月初めから10月末にかけてTSMCで作るCore Ultra 5 250K Plusが約4.2万円から約3.8万円に下がり、Intel 7で作るCore i5-14400Fも約2.8万円で横ばいです。
Intel 18Aで生産できる工場は、オレゴン州の工場とアリゾナ州のFab 52で、生産能力は合わせて月3万枚ほどとされ、7月にはPanther Lakeには足りてもNova Lakeには追加の生産能力が要ると伝えられていました。Intelは、そのNova Lakeが18Aの改良版である18A-Pを使う最初のクライアント向け製品で、開発は予定より早く進み、PCメーカーの採用もPanther Lakeの2倍になる見込みだとしています。2つ目の18Aの量産工場となるアリゾナ州のFab 62の建設も早めているため、2027年1〜4月に出そろう見通しのNova Lake-Sが、今回の振り替えで生産を減らされることはなさそうです。
今年前半の品薄はサーバー優先のしわ寄せでしたが、今回はPCの需要減で余った枠を回すものなので、自作向けのIntel製CPUが足りなくなる心配は小さいとみられます。ただ、Intelはメモリの値段と供給が落ち着き始めるまでPC需要の弱さが続くとみており、2027年の出荷台数も約1割減と見込んでいます。DDR5の32GB(16GB×2)の国内平均価格は10月31日時点で約9.2万円と2025年11月の2倍以上で、値下がりに向かうのも早くて2028年からと言われているため、2027年にPCを組む費用を大きく左右するのは、以前と変わらずCPUよりDDR5やGPUの方になりそうです。


