Intelが次世代CPU「Nova Lake」のコンピュートタイル生産で、当初6〜7割としていたTSMCへの外部委託を大きく引き下げ、自社18Aプロセスでの内製比率を8〜9割まで引き上げる方針へ転換したことが明らかになりました。
Nova Lakeの生産はIntel 18Aが主力に?
Intelが2027年に投入予定のNova LakeではCPUコアなどが含まれるCompute Tileは一部のエントリー向け製品を除き、大部分がTSMC 2nmプロセスであるN2Pで製造されると言われており、TSMC 2nm前提だった当初のダイサイズ判明時には110mm²超えの巨大なダイサイズと、それに伴うコスト高騰が懸念されていました。
しかし、どうやらIntelは自社のIntel 18Aファウンドリーの歩留まりが向上していることを背景にNova Lakeの大部分を自社で製造することを検討していることが投資銀行KeyBanc Capital Marketsの調査ノートより明らかになりました。
TSMC依存を減らして収益改善を狙う
Intelは当初、このCompute Tile生産は8P+16Eや4P+8Eなどハイエンドからメインストリーム向けで全体の7割ほどをカバーする製品がTSMCに委託され、残りはエントリーモデル向けの4P+0E構成の製品などがIntel 18Aで製造するデュアルソース体制で計画が立てられており、過去にも同様のリークが登場していました。しかし、KeyBancが入手した最新の供給網情報ではこの比率が逆転し、Intel自社製のIntel 18A側が生産の大半を担う体制へ切り替わったとされています。
方針転換の背景にあるのが、Intel 18Aの歩留まり改善です。Intel 18Aの歩留まり10%以下と報じられた時期には量産計画そのものが危ぶまれていましたが、調査会社BlueFin Research Partnersの分析では、Panther Lakeでの量産実績蓄積を背景に、欠陥密度(D0、ウェハー上の欠陥の少なさを示す指標)が成熟プロセスの目安である0.1〜0.2程度という下限に近い水準まで達している可能性があるとのことです。加えてIntel 18Aの供給ができるFab 52とオレゴン州ヒルズボロの拠点を合わせた月産能力も、約3万枚に達しているとのことです。
この生産能力は現行Panther Lakeの内部需要をまかなうには十分ですが、発売が数か月後に迫るNova Lakeには追加の生産能力が必要になる見通しです。それでも、TSMC依存を大きく減らせる水準まで内製比率を引き上げられるのは、量産体制に一定の余裕が見えてきた裏返しでもあります。
なお、この内製化の推進によりIntelはNova Lakeでの収益改善や販売コスト削減なども可能になると考えられます。実際に、ここ最近のリークでは当初はワークステーション向けに近いモデルでしかダイサイズが150mm2と大きいbLLC搭載CPUは投入されない見通しでしたが、ここ最近ではRyzen 7 9800X3Dクラスに対抗するミドルレンジ向けも計画されていることが明らかになるなど状況が変わってきており、もしかしたらこのようなコンシューマー向け製品のラインアップ強化もコストが下げられる内製化の道筋が見えてきたからかもしれません。
加えて、IntelはIntel 18Aや14Aなど自社製ファウンドリーをNVIDIAやAppleなど外部顧客への販売を推進していますが、Nova Lakeで安定した歩留まりや供給実績を積めれば外部顧客獲得にも有利な材料になると見られます。


