NVIDIA Hopper H100の利益率は驚異の約900%。納期は2024年後半まで伸びる可能性も

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NVIDIA Hopper H100の利益率は驚異の約900%。需要により納期は2024年後半まで伸びる可能性も

ChatGPTやMidJourneyなど生成AIブームによって、これらのAIの動作に対して絶大なパフォーマンスを誇るNVIDIAのHigh Performance Computing(HPC)向けグラフィックカードあるHopper H100はChatGPTのOpenAIやFacebook、Oracleなど多くの企業からの引き合いが増えています。このHopper H100などはNVIDIAの収益を支える重要な存在になっていますが、金融コンサルティング会社のRaymond Jamesによると、このHopper H100では驚異的な利益率を誇る事が明らかになっています。

Raymond Jamesによると、Hopper H100のBOMコスト(いわゆる原価)は$3320程度と推定されています。一方でHopper H100は販売価格は最も廉価なPCIeバージョンでも$25,000から$30,000程度で販売されているため、利益率は驚異の904%を記録しているとのことです。

この原価は部品単体のみであり、平均給料が$202,000を誇るNVIDIAエンジニアの労働時間、物流費など企業が製品を設計や販売を行うのに必要なコストは含まれてはいません。ただ、Hopper H100については供給に対して需要が圧倒的に高く、販売価格はNVIDIAとの契約内容次第では$70,000程度で供給される例もあるため、エンジニアリングや物流費などを含めても多大な利益を生み出す製品である事には変わりないようです。

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NVIDIAのHopper H100とは対極な存在であるゲーミング向けGPUのNVIDIA GeForce RTX 4000シリーズについては先代のRTX 3000シリーズと含めて多くの製品が在庫として残っており、レビューアーへの製品提供や各国で行われているRTX 4060のプレゼント企画など広告宣伝費など多くの手間がかかる製品となっています。

一方でHopper H100は唯一無二の製品であるため、量販店への供給や宣伝は不要で飛ぶように売れるためNVIDIAにとっては非常に都合が良く、Barronsの編集担当であるTae Kim氏によると、NVIDIAのHopper H100は既に2024年第1四半期と第2四半期分までは完売しているとのことで、今注文を行っても最低でも1年の納期待ちは発生するようです。

NVIDIAではHopper H100は2024年第2四半期以降にしか入手は出来ませんが、2024年第3または第4四半期以降はBlackwellアーキテクチャーを採用するHopper H100後継モデルも準備していると見られており、これらの製品では現行のHopper H100を超えるような性能と価格でありながら、多くの企業が導入を検討するグラフィックカードになると見られているため、NVIDIAは今後もAI向けグラフィックカードを軸に製品開発などを行っていくものと見られています。

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『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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