Pixel 11シリーズの発表会で、Googleの担当者がPixelへのシリコンカーボン電池の採用を検討していることを明らかにしました。
Googleがシリコンカーボン電池の採用を検討中と明かす
8月に発表されたPixel 11シリーズの詳細スペックを前世代のPixel 10シリーズと比べると、全4機種のうち電池容量が増えたのは無印モデルの15mAhだけで、Pro・Pro XL・Pro Foldの3機種はむしろ減っています。なかでもPro Foldは5,015mAhから4,806mAhへ209mAh減り、Pixel 11シリーズのなかで最も容量の少ないモデルになりました。
こうしたなか、発表会の場でAndroid Centralからシリコンカーボン電池について問われたGoogleの担当者は、Pixelチームで採用を検討していることを明らかにしています。ただ、現時点では採用を確約するものではなく、搭載する機種や時期にも触れていません。
シリコンカーボン電池は、負極に使う黒鉛の一部をシリコンへ置き換えたリチウムイオン電池で、同じ体積でより多くのリチウムイオンを蓄えられるため、本体の厚みや重さを変えないまま容量を増やせます。シリコンの弱点である充電時の大きな膨張は、炭素材と組み合わせることで抑えています。
サムスンは今夏の折りたたみ3機種で採用済み
サムスンは今夏、Galaxy Z Fold 8、Galaxy Z Fold 8 Ultra、Galaxy Z Flip 8の3機種でシリコンカーボン電池を初めて採用したことを、メディア向けの説明で明らかにしています。このうちGalaxy Z Fold 8 Ultraは本体を薄くしながら、電池容量を前世代Galaxy Z Fold 7の4,400mAhから5,000mAhへ増やしました。折りたたみではHonorがすでに6,000mAhを超える容量に到達しています。
ただ、サムスンはシリコンの含有率を公表しておらず、充電サイクル寿命についても、EU指令に基づく測定方法では従来より短いとされる一方、同社は寿命を重視した設計だと説明しており、両者の内容には食い違いがあります。Googleが採用する場合も、サムスンと同様に寿命を優先した設計に振れば増量幅は1割前後が現実的で、Honorのような6,000mAh級には届かないと考えられます。
Pixel 12での搭載はメモリ高騰次第
仮にPixelにシリコンカーボン電池が採用される場合、Pixelシリーズで最も容量の少ないPro Foldほど増量の恩恵を受けやすく、採用によるメリットは大きくなります。特に、Googleは過去に高速なZoned UFSストレージをPixel 10 Proシリーズ限定にした前例があるほか、Tensor G7ではLPDDR6の採用が検討されており、これもPro限定とする見方が出ています。このように、新しい技術は上位モデルへ絞って載せる判断が続いているため、Pixel 12で採用される場合もPro系モデルから先行する可能性があります。
一方で、Pixel 12が登場するとみられる2027年もメモリ価格の高止まりが続く見通しです。GoogleはTensor G6で2nmを見送って改良版3nmを採用し、Pixel 11 Pro/Pro XLの256GB構成ではRAMを12GBに絞るなど、すでに部材コストの削減を重ねており、電池材料の追加コストを受け入れる余力は多くありません。加えて、Tensor G7で検討されているLPDDR6もコストが高くなるため、性能向上のためにメモリを優先した場合、電池へ回せるコストはその分削られます。そのため、シリコンカーボン電池の採用がPixel 12シリーズで検討されていても、今後の市場環境次第では非採用となる可能性が高くなっています。


