GoogleのPixel 11シリーズに搭載されるTensor G6が、TSMCの最新改良版3nmプロセスで製造されていることが明らかになりました。かねてから噂されていた2nmの採用は見送られ、前世代のTensor G5と同じ3nm世代にとどまるようです。
Tensor G6は2nmではなく改良版3nmを採用
Tensor G6を巡っては、2024年9月の時点で2nmでの製造が伝えられており、今年7月中旬にも台湾の経済日報が2nmでの製造を報じていたとされています。Tensor G5でチップの独自開発とTSMCでの製造へ切り替えたGoogleが、次の世代では最先端プロセスへ進むという見方が2年近く続いていました。
しかし8月13日に台北で開かれたPixel 11シリーズの発表会で、Googleのハードウェア担当副社長である彭昱鈞氏は取材に対し、Pixel 11/11 Pro/11 Pro XL/11 Pro Foldの4機種すべてに搭載されるTensor G6が、TSMCの最新改良版3nmプロセスで製造されると明言しています。具体的なノード名までは明かされていませんが、TSMCの3nm系で最新の改良版に当たるのは、iPhone 17のA19が採用するN3Pで、Tensor G6も同じプロセスに該当する可能性があります。
一方のTSMC 2nmは、ウェハー単価が3nmから67%引き上げられており、2025年8月時点で1枚あたり約470万円と伝えられていました。メモリ価格の高騰で部材費が膨らむなか、この単価上昇まで抱えて最先端へ移る負担は重く、Tensor G6の2nm見送りはプロセスコストとメモリ高騰が重なった末の判断とみられます。
メモリ高騰について彭氏は同じ会見で、業界共通の現象であり、価格だけでなく製品の需給にも影響が及ぶと位置づけ、UIシステムやDRAMの使い方など、ソフトウェアとハードウェアの設計を最適化することで対応する方針を明らかにしています。また、メモリ不足に応じて出荷量を調整するかについても、今年の販売台数について「少し考えた」と認めており、メモリ不足が出荷量にまで影響していることが明らかになっています。なお、メモリ不足で出荷量が制限される懸念はGoogleだけでなく、Appleも同じであり、メモリ不足は価格だけでなく端末メーカーの数量計画まで左右し始めています。
Tensor G6は先代Tensor G5より性能が低下
Tensor G6のプロセス据え置きは性能にも表れており、Geekbench 7でマルチコアが前世代を1割超下回り、シングルコアの伸びも7%と小幅になっています。しかし、Pixel 11シリーズでは大幅な値上げは行われておらず、Googleは性能を横ばいに抑えてでも価格と供給を守る方向へ舵を切ったことになります。


