GeForce RTX 5000 シリーズの定価が欧州で値下げ。 日本も円高傾向が続けば値下げ?
NVIDIAのGeForce RTX 5000シリーズが発売された2025年1月30日時点では、ドルが非常に高値で取引されており、日本では1ドル=155円近い円安、欧州でも1ドル=0.96ユーロ付近のユーロ安が進んでいました。そのため、ドルベースで設定されるGeForce RTX 5000シリーズのメーカー希望小売価格(MSRP)は非常に高く、日本ではRTX 5090が393,800円、RTX 5080が198,800円という高価格で販売されています。また、欧州でもRTX 5090が€2329、RTX 5080が€1169と、ドル高の影響を強く受けていました。
しかし、最近になって為替相場がドル安・ユーロ高へと転換したことを背景に、NVIDIAは欧州市場向けのGeForce RTX 5000シリーズのMSRPを値下げしたことが明らかになりました。
旧価格 | 新価格 | |
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GeForce RTX 5090 | €2329 | €2229 |
GeForce RTX 5080 | €1169 | €1119 |
GeForce RTX 5070 Ti | €879 | €879 |
GeForce RTX 5070 | €649 | €619 |
値下げが行われたのはRTX 5070 Tiを除くモデルで、値下げ幅は約4.3%~4.6%となっています。特に元々の価格が高いRTX 5090では€100(約16,000円)もの大幅な値下げが実施され、RTX 5080についても€50(約8,000円)の値下げとなりました。一方で、RTX 5070 Tiは値下げが一切実施されていませんが、このモデルではGB203 GPUのカットダウン版を使うという関係から値下げ余地があまりないためと見られています。

NVIDIAが欧州にてRTX 5000シリーズの値下げに踏み切った主な理由は、上述したとおり為替レートの変動と考えられます。ドル・ユーロの為替レートは2025年初頭まで1ドル=0.96~0.98ユーロで推移していましたが、トランプ政権発足以降、過激な関税政策などを背景にドル安傾向へと転じています。この影響で、ドル・ユーロ相場は2025年1月30日時点の1ドル=0.96ユーロから徐々にドル安・ユーロ高が進行し、3月20日時点では1ドル=0.91ユーロと約5%ものドル安・ユーロ高が進んでいます。この為替の変動がNVIDIAの価格改定につながったと見られています。

また、ドル・円相場についても同様の傾向が見られます。RTX 5090とRTX 5080が発売された1月30日頃には1ドル=約155円でしたが、その後3月11日には一時147円を切る水準まで円高が進みました。ただし、日銀が追加利上げを見送ったことで再び円安基調に戻り、3月20日時点では1ドル=約150円で推移しています。1月30日から約3%の円高になっていますが、欧州で実施されたような約5%の値下げが日本でも実施されるには、再度147円を超える円高が継続する必要があると考えられます。
さらに、日本国内においてはAIBパートナー側が独自に価格を引き上げたり、今後もRTX 5000シリーズへの需要が高い状態が続いた場合、為替差益分を反映せず販売価格を据え置くことで、量販店や代理店の利益率を向上させる可能性もあります。そのため、単純に円高が進んだからといってすぐに店頭価格が引き下げられるとは期待しない方が良いかもしれません。
GeForce RTX 50-Series | NVIDIA Germany
https://www.nvidia.com/de-de/geforce/graphics-cards/50-series/
コメント
コメント一覧 (1件)
消費者が離れない様に値を再考したかな。