AMDとMicrosoftがRyzen 5000から9000 CPUの性能改善するパッチを準備中。最大13%性能向上

AMDとMicrosoftがRyzen 5000から9000 CPUの性能改善するパッチを準備中。一部ゲームでは最大13%のパフォーマンス向上へ

AMDが2024年8月に発表したRyzen 9000シリーズでは想像以上に低いパフォーマンスにより海外のレビューアーを中心に期待を大きく下回る性能と言う論調が多く出ていますが、AMDは低いパフォーマンスの原因の1つとしてWindows 11にあるバグが原因として管理者アカウントを使用すると本来の性能が発揮できることを明らかにしました。

実際にこの管理者アカウントを使った場合にはRyzen 7 9700Xの性能は使わなかった場合に比べて平均4%の性能向上が見られたのですが、この傾向はRyzen 7 7700XやRyzen 7 5800X3DなどZen 4やZen 3など古いCPUでも同じく性能向上する事が後のベンチマークなどで明らかになっています。

そんなRyzen CPUですが、AMDとMicrosoftはWindows 11 24H2向けにこのパフォーマンス低下するバグをRyzen 5000、Ryzen 7000とRyzen 9000シリーズCPUを対象に近々修正する事を正式に明らかにし、パフォーマンス低下の原因や修正後にどれぐらいパフォーマンス向上が見られるかを明らかにしました。

The “Zen 5” architecture incorporates a wider branch prediction capacity than prior “Zen” generations. Our automated test methodology was run in “Admin” mode which produced results that reflect branch prediction code optimizations not present in the version of Windows reviewers used to test Ryzen 9000 Series.

AMD Comunity

AMDによるとRyzen 9000シリーズを社内で検証した際は自動テストを利用しており、これは管理者モードを使用して実行がされていたとのことです。また、この検証に使われていたWindow 11のバージョンは一般的に使われているWindows 11 23H2ではなくRyzen 9000シリーズで拡張された分岐予想をフルに使える状態にされたものが用いられていたとのことです。そのため、AMDの公称値と第三者によるレビューでは結果に大きな違いが出たと説明しています。

Ryzen 9000シリーズなどに最適化された分岐予測はWindows 11 24H2 Build 26100から導入されているため現時点で最適化を受けるにはRelease Previewをインストールする必要がありますがWindows 11 24H2が正式リリースされれば一般ユーザーもこの最適化の恩恵を受ける事ができるようになるとのことです。

AMDではRyzen 9 9950Xを用いて一部ゲームで見られる性能差を明らかにしています。このデータによると最も大きな性能向上が見られるゲームはFar Cry 6で13%の性能向上が見られるほか、Cyberpunk 2077でも+7%など比較的大きな差が出るようです。

なお、AMDはこの分岐予測の最適化により最も大きな効果が見られるのはRyzen 9000シリーズとしていますが、Ryzen 7000シリーズやRyzen 5000シリーズでもパフォーマンス向上が見られるとのことで、すべてのユーザー向けにこれら最適化を含めたアップデートを提供予定としています。特にこの問題が明らかになった後にはRyzen 7 5800X3Dで検証したユーザーが現れていますが、この時には10%近い性能向上が見られていたため、登場から2年以上経過したCPUもこのアップデートによりゲーミング性能の向上が期待できると言えそうです。