2024Q1はAMD製CPUデスクトップとサーバーでシェア拡大。IntelはノートPC市場でシェアを戻す

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AMDのRyzenとEPYCがデスクトップとサーバー市場でシェアを伸ばす。IntelはノートPC向け市場でシェア拡大

CPUの市場シェアについてはIntelは依然としてすべてのセグメントで高いシェアを確保済みに対して、AMDが徐々にシェアを取り始めている様子がここ数年間見られていましたが市場調査会社のMercuty Researchが2024年第一四半期の出荷台数をまとめた結果によると、AMDはデスクトップとサーバーではシェアを続伸させる一方で、ノートPC向けCPUではIntelがシェアを取り返している事が明らかになりました。

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デスクトップ1Q244Q233Q232Q231Q234Q223Q222Q221Q224Q213Q212Q211Q214Q203Q202Q201Q204Q193Q192Q191Q20194Q183Q182Q181Q184Q173Q172Q171Q174Q163Q16
AMD社シェア23.9%19.8%19.2%19.4%19.2%18.6%13.9%20.5%18.3%16.2%17.0%17.1%19.3%19.3%20.1%19.2%18.6%18.3%18%17.1%17.1%15.8%13%12.3%12.2%12.0%10.9%11.1%11.4%9.9%9.1%
前期比/ 前年同期比+4.1 / +4.7+0.6 / +1.2-0.2 / +0.5+0.1 / -1.02+0.6 / +0.9+4.7 / +2.4-6.6 / -3.1+2.2 / +3.4+2.1 / -1.0-0.8 / -3.1-0.1 / -3.1-2.3 / -2.1+0.1 / +0.7-0.8 / +1.0+0.9 / +2.1+0.6 / +2.1+0.3 / +1.5+0.3 / +2.4+0.9 / +5Flat / +4.8+1.3 / +4.9+2.8 / +3.8+0.7 / +2.1+0.1 / +1.2+0.2 / +0.8+1.1 / +2.1-0.2 / +1.8-0.3 / –+1.5 / –+0.8 / –

デスクトップ向けCPUはAMDは2023年はシェアが19%台で横ばい状態でしたが、2024年第一四半期は前期の19.8%から一気に23.9%に伸びています。この期間中にIntelはRaptor Lake Refresh、AMDはRyzen 8000Gを投入していますが、この中でRyzen 8000Gがある程度シェアの伸びに貢献した可能性があります。

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サーバー1Q244Q233Q232Q231Q234Q223Q222Q221Q224Q213Q212Q211Q214Q203Q202Q201Q204Q193Q192Q191Q20194Q183Q182Q184Q17
AMD社シェア23.6%23.1%23.3%18.6%18%17.6%17.5%13.9%11.6%10.7%10.2%9.5%8.9%7.1%6.6%5.8%5.1%4.5%4.3%3.4%2.9%3.2%1.6%1.4%0.8%
前期比/ 前年同期比+0.5 / +5.6-0.2 / 5.54.7 / 5.80.6 / 4.7+0.4 / +6.3+0.1 / +6.9+3.6 / +7.3+2.3 / +4.4+0.9 / +2.7+0.5% / +3.6+0.7 / +3.6+0.6 / +3.7+1.8 / +3.8+0.5 / +2.6+0.8 / +2.3+0.7 / +2.4+0.6 / 2.2+0.2 / +1.4+0.9 / +2.7+0.5 / +2.0-0.3 / –+1.6 / 2.4+0.2 / –Row 2 – Cell 24

サーバー向けCPUは2023年6月にサーバー向けCPUのEPYCにZen 4に3D V-Cacheを追加したGenoa-XとZen 4cを搭載し多コア化したBergamoを投入したことで大きく伸びていますが、Intelのサーバー向け新製品であるGranite Rapidsなどは2024年下半期以降に投入と言う事で、AMDは勢いを維持したまま2024年第一四半期では前期比で0.5%、前年同期比では5.6%と大きくシェアを伸ばしています。

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ノートPC1Q244Q233Q232Q231Q234Q223Q222Q221Q224Q213Q212Q211Q214Q203Q202Q201Q20Q4193Q192Q191Q20194Q183Q182Q18
AMD社シェア19.3%20.3%19.5%16.5%16.2%16.4%15.7%24.8%22.5%21.6%22.0%20.0%18.0%19%20.2%19.9%17.1%16.2%14.7%14.1%13.1%12.2%10.9%8.8%
前期比/ 前年同期比-1 / +3.10.8 / 3.92.9 / 3.80.3 / -8.3-0.2 / -6.3+0.8 / -5.1-9.1 / -6.4+2.3 / +4.8+0.9 / +4.4-0.4 / +2.6+2.0 / +1.8+1.9 / +0.01-1.0 / +1.1-1.2 / +2.8+0.3 / +5.5+2.9 / +5.8+0.9 / +3.2+1.5 / +4.0+0.7 / +3.8+1.0 / +5.3+0.9 / ?Row 2 – Cell 22Row 2 – Cell 23

ノートPC向けCPUではAMDのPhoenix APUなどが広く展開されたことで2023年は各四半期で大きな伸びを記録していましたが、2024年第一四半期はシェアを前期比で1%落とす結果になっています。これはIntelがMeteor Lake世代のCore Ultra 100シリーズを投入したことが原因と見られています。

各セグメントの今後の展望としては、デスクトップ向けではAMDはZen 5アーキテクチャーを採用するRyzen 9000シリーズを投入する一方で、IntelはRaptor Lakeの不具合などに見舞われているため今後もAMDがシェアを伸ばす可能性があります。また、サーバー向けでも2024年第一四半期に見られたシェアの伸びを維持するものと見られていますが、IntelはEPYCを意識したGranite RapidsとSierra Forestと呼ばれる新サーバー向けCPUを投入するため、これらのコスト・パフォーマンスや入手性次第ではAMDのシェアがIntelに押し返される可能性があります。

ノートPC向けCPUに関しては、今後はQualcommのSnapdragon Xシリーズを、IntelはLunar Lakeを投入し、AMDは内蔵GPU性能を強化したStrix Pointで対抗を計画していますが、このセグメントでは競争が激化しているためAMDに関しては今後もさらにシェアを落とす可能性がありそうです。

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各セグメントでのCPUシェアを見ると2024年第一四半期は新製品効果もあまりない期間ではありましたが、ノートPC向けを除くと比較的好調だったと言えます。特にデスクトップ向けではRyzen 8000Gなど新製品を出してはいましたが、どちらかと言うとRyzen 7 7800X3DやRyzen 5 5700X3Dなど3D V-Cacheを搭載したRyzenの価格が下がったことなどが要因かもしれません。サーバー向けCPUに関しては相変わらずの強さを見せていますが、2024年下半期からはIntelもGranite Rapidsなどで反転攻勢に出るため、このシェアを維持できるのか、それともGranite Rapidsに負けずシェアを伸ばし続けるのか注目です。

ノートPC向けはSnapdragon Xなど新たなライバルが登場するため、第二四半期はシェアを落としそうですがそのあとはStrix Pointなど注目製品も投入されるため、こちらもシェアがどのように変化するのか注目です。

ソース

PC Processor Report | MercuryResarch

https://www.mercuryresearch.com/schedule.shtml

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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