AIエージェントの普及によりデータセンターにおけるCPU需要が最大4倍に増加する見通しであることが、市場調査会社TrendForceのレポートで明らかになりました。この需要増加に伴い、IntelとAMDによるCPU値上げの動きも出ています。
AIエージェント時代でCPU:GPU比が1:1〜1:2に変化する見通し
現在のAIデータセンターではGPUによる大規模並列演算が主役で、CPUはメモリデータの圧縮、転送など補助的な役割にとどまっており、CPUとGPUの比は1:4〜1:8程度で運用されるのが一般的です。
しかし、ここ最近はMicrosoftのCopilot AgentsやOpenAIのOperatorなど、ユーザーに代わりタスクの計画や実行を自律的に行うAIエージェントが出現し始めています。こうしたAIエージェントでは、ツールの呼び出しやサブエージェント間のデータ受け渡しといったオーケストレーション処理が発生し、これらはCPUが担う領域となります。
TrendForceによると、こうした構造変化によりCPUとGPUの比は今後1:1から1:2程度にまで変化する見通しで、Armの試算では1GWあたりに必要なCPUコア数が従来の約3,000万から約1億2,000万へ4倍に増加するとされています。また、こうしたCPU需要急増を受けてIntelとAMDは2026年第1四半期末にかけて一部CPUの値上げを実施しています。
なお、Intel、AMDのサーバー向けCPUはすでに納期が最大6か月超にまで延びていますが、その一因にはこうしたAIエージェント需要の構造変化があると考えられます。NVIDIAやArmといった企業までCPU市場に新規参入している状況は、サーバー向けCPU需要の増加が業界の共通認識であることを示唆しており、価格上昇圧力は当面続くとみられています。
また、サーバー向けの需要増が製造キャパシティーを圧迫すれば、コンシューマー向けCPUにも影響が波及する可能性があります。特にIntelのNova LakeやAMDのZen 6など次世代CPUはTSMC 2nmを使うほか、AMDのデスクトップ向けRyzenはサーバー向けEPYCとCCDを共有しているため、サーバー向けの需要が優先されればコンシューマー向けCPUの価格高騰や供給不足がより顕在化することも懸念されます。

