A620とRyzen 7 7800X3Dでは最大5%性能低下。ゲーミングには影響なし?

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AMDが2023年4月6日に海外で発売を開始したRyzen 7 7800X3DについてはTDPは最大120Wで間もなく発売されるエントリー向けマザーボード『A620』ではTDPが最大65Wとなっており完全対応はできないのですが、どうやら影響については思ったほど大きくない可能性があるようです。

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Ryzen 7 7800X3DとA620を組み合わせたベンチマーク登場。ゲーミング性能では影響がない可能性

AMDが2023年4月6日に海外で発売を開始したRyzen 7 7800X3Dは8コア16スレッドで3D V-Cacheを搭載したCPUとなっており、ゲーミング性能はCore i9-13900KやRyzen 9 7950X3Dをも上回る一方で、価格や消費電力が低いなどゲーミングPCを組み立てる人に注目されているCPUとなっています。

一方でAMDではRyzen 7 7800X3Dの他に、マザーボードでエントリー向けで価格が抑えられた『A620』を間もなく発売すると見られており、この2つを組み合わせてコストパフォーマンスが高いゲーミングPCを期待するユーザーは多いのですが、懸念となっているのがA620のTDP 65Wと言う制限です。

このA620マザーボードでは価格が抑えられたモデルはVRMなど電力関係のコストを下げるためにTDPは最大65Wまで対応となり、CPUへ供給できる電力量は最大88Wに制限がされています。そのため、Ryzen 7 7800X3Dなど65Wを超えるTDPを持つCPUではパフォーマンスの低下が懸念されていますが、今回Ryzen 7 7800X3DとA620マザーボードを組み合わせてベンチマークを行った結果が韓国のテック系Youtuberのmintegerから登場しました。

게이밍 킹 CPU 라이젠7 7800X3D를 A620메인보드에 장착했더니 놀라운 일이 일어났습니다. – YouTube

minteger氏はRyzen 7 7800X3DをA620とX670に搭載し、TDP制限による性能への影響を確認しています。マザーボード以外の構成では、メモリーにはDDR5-6000を搭載し、GPUにはGeForce RTX 4080になっています。

Ryzen 7 7800X3Dに搭載されている8コアまたは1コアを全開で使う処理としてはCinebench R23が用いられています。このCinebench R23においてはX670ではマルチコアが18143ptでしたが、A620環境では17330ptとX670環境に比べて4.5%の性能低下が見られます。シングルコアでも同等の傾向で、X670環境では1805ptですが、A620環境では1782ptと1.3%ほどの性能低下が確認できます。

この違いはA620の電力供給性能によるもので、A620環境ではCPUは81Wの消費電力を記録していましたが、X670環境では95W近く消費しており、動作クロックも4.8 GHzに対して、A620環境では最大4.5 GHzと低くなっています。

Cinebench R23ではCPUの処理性能をすべて使い切るソフトですが、ゲームではCPU性能をすべて使い切るケースは少なくなっています。

ゲーミング時のパフォーマンスは画像左からShadow of the Tomb Raider、Forza Horizon 5、Cyberpunk 2077、Total War: THREE KINGDOMSとなっていますが、平均FPSにおいてはShadow of the Tomb RaiderでA620環境が3%劣る結果になっているものの、他のゲームでは同等の結果になっています。ゲームプレイの快適性を左右する最低FPSについてもすべてのゲームでX670とA620環境による差は確認できない結果になっています。

AMDのRyzen 7 7800X3Dと組み合わせるマザーボードとしては、CPUのTDPが120Wであるため本来であればB650やX670が推奨されますが、コストパフォーマンスを最重要視するゲーミングPCを作りたいのであればA620を選んでも性能差を感じる場面はあまり無いと言えそうです。

ただ、注意しなければいけないのが、A620を選んだ場合このTDP制限によりRyzen 7 7800X3Dでは問題ありませんが、将来登場するCPUでもゲーミングに影響が無いとは言えないため、将来CPUだけ最新モデルに換装する事を考えている場合、多少高くてもB650などを選んでおいた方が良いと言えます。


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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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