Googleが10月に899ドル(約14.2万円)からの高価格帯で発売したノートPC「Googlebook」で、Qualcomm製チップを使う安価なモデル向けとみられる新しい基板が作られていることが、開発中のコードから明らかになりました。
安価なGooglebook向けとみられる新基板がChromiumのコードに登場
5月に発表されたGooglebookは10月4日に米国などで発売され、日本は最初の発売国に入っていません。価格は899ドルからで、チップはIntel Core UltraかSnapdragon X Elite、メモリは16GB以上と、上位構成の機種だけが用意されています。GoogleのJohn Maletis副社長は、最初の機種はかなりの高価格帯になるものの、時間をかけて価格を下げていくと話しています。
そんな中、Googlebookの開発に使われるChromiumのコードで、Qualcomm製チップを使い、複数の機種の土台になる新しい基板の系統「Dougie」の開発が進んでいます。10月15日には、Dougieをもとにした最初の機種向けの基板「Bandit」も作られました。
Dougieは、Snapdragon X Elite向けやX2 Elite向けの既存の系統とはコードを共有しない別の系統で、ストレージはUFSやNVMe SSDに加え、SSDより低速で、安価なノートPCで使われるeMMCにも対応しています。現行のGooglebookは256GB以上のストレージを積む構成だけですが、eMMCに対応したDougieは、それより安い構成まで作れる基板として設計されています。
搭載チップはSnapdragon Cが有力。登場は2027年後半以降に
搭載するチップの名前はコードに書かれていませんが、Chrome Unboxedは、上位のSnapdragonが既存の系統に割り当て済みであることから、Snapdragon X2 PlusかSnapdragon Cのどちらかとみています。Snapdragon X Elite向けの既存の系統はX Plusも一緒に扱っており、X2 Eliteと同じ第3世代Oryonコアを使うX2 Plusも、X2 Elite向けの系統に入るのが自然です。
一方、Snapdragon Cは、Snapdragon Xシリーズが使うOryonコアとは異なる、スマートフォン向けのKryoコアを採用する別系統のチップで、Qualcommは300ドル(約4.7万円)からのノートPC向けとしています。既存の系統とは別に作られたDougieに載るのは、2つのうちSnapdragon Cの可能性が高いです。Snapdragon Cを積めば価格は現行の899ドルより下がりますが、このチップはWindowsのCopilot+ PCの条件を満たさない設計のため、AI処理性能は45TOPSを超えるNPUを積む現行のGooglebookより落ちるとみられます。
Snapdragon X Elite向けの系統はChromebook向けとして2025年6月にはコードに現れており、この系統の機種がGooglebookとして発売されるまでに約1年4か月かかりました。ただ、その間にはChromebook向けからGooglebook向けへの切り替えが挟まっていたため、GooglebookのOSが出来上がった今回はこの期間が縮む可能性があります。上位構成だけで始まったGooglebookに、最初の機種向けの基板が作られたばかりのDougieを積む安価なモデルが加わるのは、2027年後半から2028年ごろになりそうです。


