GeForce RTX 5000 シリーズの出荷台数はRTX 4090の2倍に留まる？ NVIDIAは供給や価格改善に向けて取り組む方針。

GeForce RTX 5000 シリーズの出荷台数はRTX 4090の2倍に留まる？ NVIDIAは供給や価格改善に向けて取り組む方針。

NVIDIAは2025年1月30日に新世代のGeForce RTX 5000シリーズを発売しましたが、RTX 5090およびRTX 5080は発売当初から深刻な供給不足が続いており、現在でも抽選販売が行われる状況です。その後2月末から3月初旬に発売された普及帯モデルとなるRTX 5070 TiおよびRTX 5070もRTX 5090などと同様に入手困難な状態が続いており、消費者からの落胆や批判が相次いでいる状態になっています。

こうした声を受け、NVIDIAはGeForce RTX 5000シリーズの供給状況についてまもなく開催されるGDC 2025にて近況を報告する予定でそのメディア向けブリーフィングが先行して行われたようですが、ここで紹介された資料についてGeForce RTX 5000シリーズが先代のRTX 4000シリーズに対して2倍の出荷量を記録していることが紹介されたようですが、その内容はミスリーディングな内容になっており実情としてRTX 5000シリーズは先代モデルに対してほとんど出荷できていないことが明らかになっています。

NVIDIAは3月17日から開催されるGDC 2025に向けたメディア向けブリーフィングにて、GeForce RTX 5000シリーズは先代のRTX 4000シリーズに対して発売5週間の期間内で約2倍程度の出荷台数を記録したことを資料では明らかにしており、NVIDIAは計画通り順調にGeForce RTX 5000シリーズを出荷しているように見せかけています。

しかし、このグラフでポイントとなるのがRTX 5000シリーズと4000シリーズそれぞれ発売から5週間までの期間での比較というのがポイントで、RTX 4000シリーズ発売として最初に発売されたグラフィックカードは最上位モデルのGeForce RTX 4090のみで、そのあと5週間後にGeForce RTX 4080が発売されています。そのためこのグラフの中にはRTX 4090と後半にRTX 4080が出荷台数として含まれていると考えられます。

一方で、GeForce RTX 5000シリーズは2025年1月30日にRTX 5090とRTX 5080が同時発売され、3週間後にRTX 5070 Tiが、5週間目前にRTX 5070が発売されているためこの5週間の期間で4モデルのグラフィックスカードが出荷台数として計上されていることになります。そのため、この比較は上位モデルのGeForce RTX 4090やRTX 4080の出荷台数に対して、RTX 5090からRTX 5070まですべてのモデルを含めた出荷台数と比べて2倍出荷しているということになっており、NVIDIAがGeForce RTX 5000シリーズを全く出荷できていないということになってしまっています。

ただ、NVIDIAも現状の出荷量やメーカー希望小売価格 (MSRP)を大きく上回る販売価格について課題に感じているのかNVIDIA GeForce商品企画マネージャーのJustin Walker氏はTweak Townへのインタビューに以下のように答えています。

We are working closely with not just our AIB partners but also our retail partners to make sure that the supply is available at MSRP. In the end, the best way to do that is is get more supply onto a shelf. As soon as the supply catches up to demand, we expect prices to stabilize.

Justin Walker -Product Manager of GeForce

Justin氏によるとNVIDIAはAIBや小売などのパートナーと緊密に連携し、MSRP価格での提供を実現できるように努めています。この最も効果的な方法は供給量を増やすことであり、供給が需要に追い付けば価格は安定すると考えていると述べており、高すぎる販売価格と供給不足については課題として解決に取り組んでいるとのことです。ただし、具体的にいつ供給状況が改善されるのかなど目安は明らかにしていないため、近いうちにNVIDIA製グラフィックカードの購入を検討している方はは抽選販売や割高な価格での購入を強いられる状況が続くと考えられるなど残念ながらこの辛い状況が続くと言えそうです。