GEEKOM IT13 MAXの基本的な仕様について
GEEKOM IT13 MAXは、ミニPCを中心に展開するGEEKOMの上位モデルで、CPUにIntel Core Ultra 9 185Hを搭載しています。
今回提供されたサンプルは24GBメモリと500GB SSDを搭載したモデルで、定価は129,900円です。記事執筆時点では119,900円で販売されています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| CPU | Intel Core Ultra 9 185H(16コア22スレッド) 基準TDP 45W/最大65W |
| グラフィックス | Intel Arc Graphics |
| NPU | Intel AI Boost(最大11 TOPS) |
| メモリー | LPDDR5-5600 24GB(オンボード・交換不可) |
| ストレージ | 500GB NVMe SSD(M.2 2280/PCIe Gen 4) 空きM.2 2242スロット×1 |
| OS | Windows 11 Pro |
| インターフェイス | 前面:USB 3.2 Gen 2 Type-A ×4、3.5mmヘッドセット端子 ×1 背面:USB4 Type-C ×2、USB 3.2 Gen 2 Type-A ×1、USB 2.0 Type-A ×1、2.5Gbpsイーサネット ×2、HDMI 2.0 ×2 側面:SDカードリーダー ×1、ケンジントンロック ×1 |
| ワイヤレス機能 | Wi-Fi 7 / Bluetooth 5.4 |
| サイズ | 幅136 × 奥行き132 × 高さ50.1mm |
| 重量 | 約832g |
| 電源 | 19V 120W ACアダプター/USB-C PD入力対応 |
| 価格 | 129,900円(24GB+500GBモデル) |
パッケージと付属品


同梱品は、120W ACアダプターと電源ケーブルのほか、HDMIケーブル、モニター背面に取り付けるためのVESAマウント、説明書などです。
また、背面にある2基のUSB4ポートのうち1基はUSB PD入力に対応しており、対応するUSB-C電源から本体へ給電できます。付属のACアダプターを使わずに運用できるため、USB-C対応のディスプレイや電源を組み合わせる際にも便利です。
GEEKOM IT13 MAXのデザインと品質、拡張性について
デザインと品質:金属とプラスチックを組み合わせたデザイン




外観はベーシックな正方形で、側面はアルミ、天板はプラスチックと言う構成になっています。艶消し塗装の品質は高く品質感は高めです。ただし、天板部分は艶消し塗装のため指紋が目立ちやすく、さらに硬いものを載せると傷が付きやすい点には注意が必要です。

前面にはUSB 3.2 Gen 2 Type-Aポートを4基備えています。左端の1基は本体の電源を切った状態でも給電できるAlways On機能に対応します。このほか、3.5mmヘッドセット端子と電源ボタンも前面に配置されています。

背面にはUSB4 Type-Cポートを2基、USB Type-Aポートを2基、2.5Gbps対応イーサネットポートを2基、HDMI 2.0ポートを2基備えています。
USB4ポートはいずれもDisplayPort Alt Modeによる映像出力に対応し、2基のHDMIポートと組み合わせることで最大4画面への同時出力が可能です。また、USB4のうち1基はUSB PD入力にも対応しています。
左側面にはフルサイズのSDカードリーダー、右側面にはケンジントンロックも備えています。特にUSB4と2.5GbEをそれぞれ2基備えるミニPCは多くなく、外部ストレージや複数のネットワークを利用する用途では使い勝手の良い構成です。
拡張性:SSDは交換が可能。メモリは増設、交換不可

本体へのアクセスはネジが剥き出しとなっているため、簡単に内部へアクセスできます。さらに、ネジはキャプティブスクリューとなっているため、ネジが脱落する心配もない設計になっています。

標準搭載の500GB SSDはM.2 2280サイズのPCIe Gen 4 NVMe SSDで、交換可能です。また、M.2 2242サイズのSSDを取り付けられる空きスロットも1基備えているため、ストレージを増設できます。
一方、24GBのLPDDR5メモリーはマザーボードに直接実装されているため、交換や増設には対応していません。購入後に32GBや64GBへ増設することはできないため、仮想マシンや大規模な画像・動画編集などで大量のメモリーを使う場合には注意が必要です。
GEEKOM IT13 MAXの各種パフォーマンスについて
内蔵のIntel Core Ultra 9 185Hの性能

GEEKOM IT13 MAXにはIntelのCore Ultra 9 185Hが搭載されています。このCPUはMeteor Lake世代の上位モデルで、Pコアを6基、Eコアを8基、低消費電力Eコアを2基備える合計16コア22スレッド構成です。
最大動作クロックは5.1GHzで、プロセッサーの基準電力は45Wです。加えて、AI処理を行うIntel AI Boost NPUや、Meteor Lake世代のIntel Arc Graphicsも内蔵されています。
Core Ultra 9 185H自体は2023年末に登場したCPUですが、コア数が多く、現在でもオフィス作業だけでなく画像編集や動画エンコードなど比較的負荷の高い用途まで対応できる性能を備えています。
GEEKOM IT13 MAXのCPUパフォーマンス


Cinebench R23とGeekbench 6でCPU性能を測定したところ、Cinebench R23ではシングルコアが1,850ポイント、マルチコアが18,033ポイントを記録しました。
マルチコア性能はデスクトップ向けのRyzen 7 8700Gとほぼ同等で、Ryzen AI Max 385に対しても約2%低い程度です。一方、Core i5-13600に対しては約12%、Ryzen 7 7700に対しては約6%下回っています。
Geekbench 6のマルチコアでは13,671ポイントで、こちらもRyzen 7 8700Gとほぼ同等です。また、Ryzen AI Max 385を約2%、Core i5-13600を約9%上回っています。
シングルコアではCinebench R23が1,850ポイント、Geekbench 6が2,514ポイントでした。Cinebench R23ではRyzen 7 7700とほぼ同等、Geekbench 6ではCore i5-13600をわずかに上回る性能を記録しています。
Core Ultra 9 185HはノートPC向けCPUですが、CPU性能だけで見るとデスクトップ向けのRyzen 7 8700Gに近く、一般的なミニPCとしては十分高い性能です。
PCMark 10のスコア:オフィス用途は非常に高い性能。画像・動画編集にも対応

PCMark 10 Extendedでは総合7,397ポイントを記録しました。
アプリの起動やWebブラウジングなど日常的な処理を測るEssentialsは9,447ポイント、WordやExcelなどのオフィス用途を想定したProductivityは14,875ポイントです。
特にProductivityは高いスコアで、Webブラウジングや文書作成、表計算など一般的な用途では性能不足を感じる場面はほとんどありません。
画像や動画編集などを測るDigital Content Creationも9,689ポイントを記録しています。内訳ではPhoto Editingが15,870ポイント、Rendering and Visualizationが8,818ポイント、Video Editingが6,500ポイントで、RAW画像の編集や比較的軽い動画編集にも十分使える性能です。
内蔵Intel Arc Graphicsの性能

Core Ultra 9 185HにはMeteor Lake世代のIntel Arc Graphicsが内蔵されています。
3DMark Time Spyでは総合3,585ポイント、Graphics Scoreは3,215ポイント、CPU Scoreは10,337ポイントを記録しました。
従来のIntel Iris Xe Graphicsより大幅に強化された内蔵GPUで、GPUを利用する画像・動画編集などでも一定の性能が期待できます。そのため、Apex Legendsなどは設定を下げれば60fps程度での動作も可能となります。
GEEKOM IT13 MAXの消費電力と長時間の負荷を与えた際の動き


Cinebench R23を約10分間繰り返し実行したところ、最初の実行では約18,200ポイントを記録しましたが、2回目には約15,500ポイントまで低下し、初回比で約15%の性能低下となりました。
ただし、2回目以降はおおむね15,500~15,700ポイント前後で推移しており、時間の経過とともにさらに性能が落ち続けるような挙動は見られませんでした。
動作状況を見ると、最初の高負荷時にはCPUパッケージ電力が約70Wまで上昇し、CPU温度も100℃近くに達しています。その後は電力や動作クロックを抑える制御が入り、2回目以降のスコアが低下しているとみられます。
そのため、短時間の処理ではCore Ultra 9 185Hの高い性能を発揮できますが、動画エンコードやレンダリングなどCPUへ長時間負荷をかける用途では、最初のベンチマーク結果より1割強低い性能で動作すると考えた方がよさそうです。一方、性能低下後はスコアがおおむね一定に保たれており、負荷時間が長くなるほど性能が下がり続けるような挙動は見られませんでした。
ライセンスは問題なし

一部のミニPCではWindowsライセンスが問題になることがありますが、今回のIT13 MAXはRETAILチャンネルで認証されていました。そのため、ライセンスには問題はありません。
GEEKOM IT13 MAXの最終評価:オフィスや画像編集用途では高コスパなミニPC
- Ryzen 7 8700Gに近い高いCPU性能
- USB4×2、2.5GbE×2など豊富な端子
- 最大4画面出力とWi-Fi 7に対応
- USB-CからのPD給電に対応
- SSDの交換・増設が可能
- 24GBメモリーは交換・増設不可
- 標準SSDは500GBと少なめ
- 高負荷時のファンノイズは大きめ
- 最新の重量級3Dゲームには不向き
GEEKOM IT13 MAXは、CPUにCore Ultra 9 185Hを搭載することで、ミニPCとしては高い処理性能を備えています。日常的な使用やオフィス作業では性能にかなり余裕があり、画像編集や動画編集、プログラミングなど比較的負荷の高い用途にも対応できます。
特に特徴的なのがインターフェイスで、USB4を2基、2.5Gbps対応イーサネットを2基備え、Wi-Fi 7や最大4画面出力にも対応しています。USB-Cから本体へ給電できるため、デスク周りの配線を減らしたい場合にも使いやすい構成です。
一方で、24GBのメモリーは16GBより余裕があり、数年間は使える容量となっていますが、オンボードで交換できないことは弱点と言えます。また、標準SSDも500GBと少なめになっていますが、SSD価格が値上がりする中で価格を抑えながら従来のように1TBや2TBを搭載することが困難になっていると言えそうです。
なお、高負荷時には冷却ファンの音が大きくなり、Core Ultra 9 185H自体も2023年末に登場したCPUであるため、最新世代のCPUと比較すると電力効率やAI性能では見劣りします。特にNPUは11 TOPSにとどまり、Copilot+ PCにも対応しません。
それでも、定価129,900円、セール時に11万円前後という価格でCore Ultra 9クラスのCPU性能と豊富なインターフェイスをまとめて手に入れられる点は魅力です。オフィス用途やクリエイティブ作業、多画面環境、ホームサーバーなどCPU性能と接続性を重視する用途では、コストパフォーマンスの高いミニPCといえます。

