Ubisoftが未発表の「Far Cry 7」の初期ビルドを生成AIツールのテスト環境として活用していると報じられています。同社は生成AI戦略の加速を経営再建の柱に据えていますが、リーカーは現状の仕上がりについて「ひどい出来」と評しました。
Far Cry 7が生成AIのR&D環境に。仕上がりは「ひどい出来」との指摘
Insider GamingのTom Henderson氏が今週、自身のXに「Far Cry 7」内に組み込まれた生成AIについて「ひどい出来(looks like shit)」と評した投稿を行ったことが、TheGamerなどにより報じられています。当該投稿はその後削除されましたが、Henderson氏は補足投稿で「Far Cry 7はあくまで研究開発用途として利用されており、Ubisoftの独立した生成AIプロジェクト『Teammates』とは別物」と説明しています。
なお、Teammatesは2025年11月にクローズドで公開されたGoogle Gemini上に構築されるNPC対話プロジェクトで、プレイヤーの情報を記憶しながら会話できる仕組みとなっています。同社は2024年のGDCでもNVIDIAおよびInworld AIと組んだ「Neo NPC」のデモを公開するなど、複数のAI実験を並行する形で開発を続けている段階です。ただし、これら一連のAI実験は現時点で商用タイトルに搭載された例はなく、Far Cry 7の最終リリース版にどこまで残るかは明らかになっていません。実際、Ubisoftは過去1年で複数のプロジェクトを中止しており、Far Cry 7自体の開発計画も流動的とみるのが自然です。
「プレイヤー向け生成AI」加速の方針とQuartz失敗の前例
Ubisoftは2025-26年度通期決算で過去最悪の営業損失を計上したものの、決算では生成AI投資の加速方針を改めて強調しており、AIによるQAボットやプレイヤーの行動に動的に反応するNPCの開発にも言及しています。なお、同社は2021年にも「Ghost Recon Breakpoint」にNFTプラットフォーム「Quartz」を統合する形で投入しましたが、プレイヤーからの強い反発を受けて短期間で撤退した経緯があります。また、2025年1月に発表された経営再建計画で「プレイヤー向け生成AIへの投資加速」が打ち出された直後には、株価が1日で34%下落しており、投資家やプレイヤーから生成AIの活用が受け入れられていない状況です。
特に、ゲーム含むエンタメ業界では生成AIの本格採用に対して投資家・プレイヤー双方の評価が固まらない状況が続いており、UbisoftがFar Cry 7のR&Dで具体的な成果を示せなければ、決算で繰り返し打ち出された生成AI戦略への信頼回復は難しくなりそうです。

