AMDの2026年第1四半期におけるデータセンター向け売上が、四半期ベースで初めてIntelを上回ったことが明らかになりました。Agentic AIによる推論ワークロードの拡大でCPU需要が押し上げられていることが背景となっています。
AMDのデータセンター売上が四半期で初めてIntelを上回る
DigiTimesの報道によると、AMDは2025年第3四半期からデータセンター向けで好調な推移を続けていましたが、2026年第1四半期には売上ベースでもIntelを上回ったとのことです。AMDのデータセンター向けCPUの出荷台数シェアは2019年以降一貫して拡大していたものの、四半期売上でIntelを超えたのは今回が初めてとなります。
Mercury Researchの調査ではIntelのデータセンター向けCPU出荷台数シェアは2019年の97%から2025年Q3には72%まで低下していましたが、今回の売上面でのIntel超えは台数シェアの低下が収益面にも波及した形となっており、AMDの優位は今後数四半期にわたって続く可能性が高いといえそうです。
CPU対GPU比率が1対8から1対1に近づく
データセンター向けの計算処理は従来GPUが中心でしたが、Agentic AIによる推論ワークロードの拡大によりCPU側の処理需要が高まっており、CPUとGPUの比率は従来の1:8から1:4へ縮小し、将来的には1:1への到達も見込まれています。これは、GPU 4基に対しCPU 1基という現在の構成が、GPU 1基に対しCPU 1基へとシフトすることを意味し、データセンター向けCPU需要を底上げする要因となっています。
実際、AI関連企業各社は追加のCPU供給を求めるか、独自設計のカスタムCPUを開発する動きをみせており、これはIntelやAMD単独の問題ではなくTSMCを中心とする半導体サプライチェーン全体の課題として顕在化しています。そのため、AMDは供給量確保に向けてTSMC以外の選択肢としてサムスンの2nmプロセス活用を検討しており、これも供給制約への対応策の一環といえます。
なお、TSMCのキャパシティー逼迫により実需の全てが売上に反映されているわけではなく、IntelもAMDもサプライチェーン側の制約が緩和されればさらに大きな売上を計上できる潜在需要が存在しているとみられます。
次世代CPUとArm勢の参入で競争激化
AMDは次世代EPYC「Venice」やAI最適化を施した「Verano」の投入を控えており、IntelもIntel 18Aプロセスで製造する「Diamond Rapids」と、SMTを再導入する後継の「Coral Rapids」を準備しています。これらに加え、NVIDIAのArmベースCPU「Vera」やArm独自設計の「AGI」など、Armアーキテクチャー勢の本格参入も近づいており、データセンター向けCPU市場ではx86・Arm両陣営による多軸競争へと移行する流れが鮮明となっています。

