リーカーのJaykihn氏により、Intelの次世代デスクトップCPU「Nova Lake-S」のbLLC版SKUごとのキャッシュ容量が明らかになりました。最上位モデルでは288MBのキャッシュを搭載する見通しで、AMDのRyzen 9 9950X3D2の208MBに対して38%多い容量となります。
Nova Lake-SのbLLC版、最大288MBのキャッシュを搭載
Nova Lake-SはAMDのX3Dシリーズに対抗する形で、一部モデルに「bLLC(Big Last Level Cache)」と呼ばれる拡張キャッシュを搭載することがすでに判明していました。これまではシングルタイル版で最大144MB、デュアルタイル版で最大288MBという上限値のみが報じられており、各SKUごとの具体的なキャッシュ容量は明らかにされていませんでした。
SKUごとのキャッシュ容量とダイ構成
Jaykihn氏が明らかにしたSKUごとのキャッシュ容量は以下のとおりです。
- Core Ultra X(52コア、デュアルタイル):288MB、TDP 175W
- Core Ultra X(44コア、デュアルタイル):264MB、TDP 175W
- Core Ultra 9(28コア、シングルタイル):144MB、TDP 125W
- Core Ultra 7(24コア、シングルタイル):132MB、TDP 125W
- Core Ultra 7(22コア、シングルタイル):108MB、TDP 65W
デュアルコンピュートタイル構成の52コア・44コアモデルは従来のCore Ultra 9を上回るHEDT相当の位置づけで「Core Ultra X」として投入されると言われており、AMDのデュアルCCD 3D V-Cacheモデル(Ryzen 9 9950X3D2など)への直接的な対抗馬になるとみられています。
加えて、Core Ultra 7やCore Ultra 9などメインストリーム向け製品にもbLLCが採用され、その容量は最小108MB、最大144MBに達します。これは現行のAMD Ryzen 7 9800X3Dの96MBを上回る水準です。一方、Zen 6世代のL3は48MB、3D V-Cacheは96MBへの拡大が噂されており、これが実現すればZen 6のL3キャッシュも最大144MBに達するため、キャッシュ容量の観点ではIntelとAMDがほぼ互角のスペックとなりそうです。
bLLCはAMDのX3Dとは異なる方式。ダイサイズは約1.6倍に
Intelが採用するbLLCは、キャッシュ容量こそAMDの3D V-Cacheと同等以上ですが、実装方式は大きく異なります。AMDはキャッシュ専用ダイをCPU直下に配置する積層構造であるのに対して、IntelのbLLCはCPUを含むコンピュートタイル上にキャッシュ領域を拡張する方式を取ると見られています。
この違いにより、標準版のコンピュートタイルが98mm²なのに対し、bLLC版は154mm²と約1.6倍のダイサイズとなっています。そのため、製造コスト面ではAMDの3D V-Cache方式に対して不利になる可能性があります。
レイテンシ面については、AMDとIntelそれぞれの実装方式で構造的特性が異なっており、どちらの方式も有利・不利の両面を併せ持ちます。AMDの3D V-CacheはCCDとキャッシュダイが別ダイとなりTSV接続を介するため構造的なオーバーヘッドが生じる一方、Intelの方式は同一ダイ内で完結する点で有利と考えられます。しかし、bLLC版のコンピュートタイルは標準版より大型化することから、ダイ内の配線距離が伸びる側面もあり、ゲーミング性能などレイテンシ依存の処理における実際の性能差はベンチマーク待ちといえます。

