『2025年版』各社グラフィックボードの保証期間や延長保証まとめ

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『2025年版』各社グラフィックボードの保証期間や延長保証まとめ

グラフィックカードと言うのゲーミングやクリエイティブ用途、AI開発など個人、法人問わず需要な役割を担うPCパーツである一方で、ここ最近発売されているグラフィックカードの多くはNVIDIAのGeForce RTX 5060やAMD Radeon RX 9060 XTなどのミドルレンジモデルでさえ5万円を超え、アッパーミドルのRTX 5070系であれば10万円近く、ハイエンドモデルのRTX 5080であれば20万円、そして最上位モデルのRTX 5090などは50万円にも迫る価格になります。

そのため、グラフィックカードを購入する際には自然故障などに備えた保証内容が購入する上でかなり重要となりますが、ここでは各社ブランド(ASUS、GIGABYTE、ZOTACなど)が販売するグラフィックカードの保証期間や延長保証の有無やその価格、種類などを解説していきます。

保証の基本:知っておくべき用語と条件

グラフィックボードの保証について基本的な用語と一般的な条件や保証を受けるのに必要な登場人物を紹介します。

保証期間の種類

標準保証(一般保証など)

製品購入時に自動的に付帯される基本的な保証で、主に製造上の欠陥や通常使用における自然故障を対象とし、保証期間は各社ブランドや代理店によって異なります。

延長保証

標準保証期間終了後も保証を継続できるオプションサービスです。製品登録によって無料で提供される場合や、有料で加入する場合があります。また、購入する店舗が独自に付与するケースや、自然故障のほかにユーザーの過失(落下、水没など)をカバーするものもあります。

メーカー、代理店、販売店と保証の関係

日本で販売されているASUS、GIGABYTE、MSI、ZOTACなどのグラフィックカードのほとんどは各社ブランドが直接販売は行っておらず、代理店を経由して販売店に卸されています。

メーカー (AIB)

メーカーと言うとGeForce RTX 5000シリーズを作るNVIDIAやRadeon RX 9000シリーズを作るAMDを思い浮かべる人も多いと思いますが、NVIDIAやAMDはGPUのチップを製造するメーカーであり、このチップを用いてグラフィックカードと言う製品を作るのはASUSやMSI、GIGABYTEなどのAdd-in Board partner (AIB) となります。そのため、この記事で指すメーカーは上述のASUS、MSI、GIGABYTEなどです。なお、日本で販売されているグラフィックカードはメーカーが直接卸しておらず、次に出てくる代理店が販売店に卸しているほか、保証含めたサポート業務も代理店が行っています。

代理店

メーカーから製品を仕入れ、日本国内の販売店へ卸す正規の流通業者です。有名な代理店はアスクやCFD販売、ニューエックス、エルザジャパンなどがあります。一般的に日本で流通しているグラフィックカードは代理店を経由して取り扱われているため、保証もAIBが独自に定めるものより、代理店側が設定している内容が正となります。

販売店

ユーザーが実際に製品を購入する実店舗やオンラインストアのことを指し、基本的には代理店から卸された製品が販売されています。ここでは購入から1週間から1か月以内と言った初期不良対応時には交換などを行ってくれるケースや、保証期間中であれば代理店への修理を代理で行ってくれるケースもあります。

保証請求に必要なもの

保証サービスを受けるためには、以下のものを揃えておく必要があります。これらが不足していると保証を受けられない可能性が高いため、購入後は大切に保管してください。

  • 購入証明 (Proof of Purchase): 購入日、製品名、販売店名が明記されたレシートや納品書、請求書などが必須です 。これを紛失した場合、保証期間の起算日が製品のシリアル番号に基づく工場出荷日となるか 、最悪の場合保証が受けられなくなります。  
  • シリアル番号 (Serial Number / SN): 製品本体に貼付または印字されている固有の番号です。この番号が汚損、損傷、改ざんされている、または何らかの理由で確認できない場合、保証は無効となります 。代理店はこの番号で製品を管理しています 。  
  • 保証シール・製品外箱 (Warranty Seal / Original Box): 日本国内の代理店が扱っている正規品であることを示すため、製品の外箱に代理店独自の保証シールが貼られている場合があります。保証請求時に、このシールが貼られた外箱の提示を求められることが多くあります 。外箱も捨てずに保管することが重要です。  

また、一部グラフィックスカードではグラフィックスカードクーラーなどを固定するネジにシールが貼られている場合がありますが、このシールが剥がされていると保証が無効になる可能性もあります。そのため、これらのシールが貼られている場合はサーマルグリスの塗り替えなどをすれば保証が無効になる可能性があるので注意が必要です。

主要なブランド別の保証期間と延長保証の詳細

ブランド標準保証延長保証
ASUS1年なし
GIGABYTE2年+2年 (最大4年) *要登録
MSI2年* (RTX 4000以前は1年)なし
ZOTAC1年+2年 (最大3年) *有料
Palit1年+3年(最大3年)
*有料/ユーザー過失保証含む
玄人志向1年または2年なし
ELSA / Inno3D2年なし
Sapphire2年
PowerColor2年
ASRock2年Amazonで3年保証版が販売されている場合あり
GAINWARD1年なし
PNY3年なし

ASUS:標準保証の1年のみ

ASUS製のグラフィックカードはCFD販売やアスクなどが取り扱っていますが、標準保証は1年となっており製品購入と同時に自動付与されます。なお、ASUSは延長保証などは提供していませんので1年が上限となります。

GIGABYTE:標準保証は2年、延長保証で4年まで対応するケースも

GIGABYTEのグラフィックカードはCFD販売や代理店を担当しているケースがほとんどですが、標準保証は2年となっています。

ただし、一部製品では2年の標準保証に加え、上記のロゴがパッケージに印刷されている場合は製品登録を行うことで追加で2年の最大4年まで保証が延長される製品もあります。

なおGIGABYTEの保証はやや複雑で、標準の2年保証は代理店のCFD販売が担当していますので購入店舗へ修理依頼する形となります。しかし、延長2年はGIGABYTE本体が実施しているためCFD販売へ申請をしたうえで、申し込み方法の案内がくる形となりますので修理完了までの時間が若干長くなると見られています。

MSI:GeForce RTX 5000シリーズから2年に延長。他は1年保証

MSI製グラフィックカードの販売代理店はアスクが担当していますが、GeForce RTX 4000シリーズまでは1年保証となっていました。しかし、RTX 5000シリーズ以降のグラフィックカードは標準で2年保証が付与されるように改定されています。

ZOTAC:標準1年、有料延長保証で最大3年

ZOTACもアスクが代理店を担当していますが、保証期間は1年となっています。ただし、ZOTAC CAREと呼ばれる独自の延長保証を提供しており、こちらは製品の販売価格に応じて延長保証料金が設定されており、それらを支払うことで最大3年の保証を受けることが出来るようになります。

製品販売価格(税抜)延長保証料金(税込)
20万円以上22,000円
10万円以上20万円未満11,000円
6万円以上10万円未満6,600円
1万円以上6万円未満4,400円

なおこちらもGIGABYTEと同じく、1年保証は代理店が対応するためその期間内であれば代理店へ修理受付、それ以降はZOTACが対応するためZOTAC CARE問い合わせ窓口に修理受付を行う必要があります。

Palit:1年保証、有料延長保証で最長3年

Palitは主にドスパラで販売されているグラフィックカードとなっていますが、標準の保証期間は1年となっています。ただし、ドスパラ独自で提供している安心ワイド保証プラスに加入することで最長3年まで保証期間が延長できます。

保証サービス延長保証料金
安心ワイド保証プラス1年商品価格の5%
安心ワイド保証プラス2年商品価格の10%
安心ワイド保証プラス3年商品価格の15%

なお、この安心ワイド保証プラスは自然故障のほかに落下や組み立て時の損傷などユーザーの過失も保証するなど手厚い保証内容になっています。ただし、保証料金が商品価格に対して5~15%と言う価格に設定されているため、購入する製品によっては延長保証料金が高くなる可能性もある点は注意が必要です。

玄人志向(GALAKURO GAMING):標準3年

玄人志向のグラフィックカードは玄人志向とGALAKURO GAMINGの2つのブランドで展開されており保証内容が異なっています。

  • 玄人志向ブランド:標準1年保証
  • GALAKURO GAMINGブランド:標準3年保証

なお、玄人志向ブランドはエントリーモデルやGALAXブランドで販売されている白いグラフィックカード、AMDのグラフィックカード、Intel ARCグラフィックカードが対象となります。

一方でGALAKURO GAMINGブランドはNVIDIAのグラフィックカードに割り当てられています。

ELSA / Inno3D:標準2年

ELSA製グラフィックカードは2年保証が標準で、OEM元のInno3Dも同様に2年保証となります。

なお延長保証は提供されていません。

Sapphire:標準2年保証

SapphireはAMD Radeonでお馴染みのメーカーですが、標準保証は2年となっており、延長保証は提供されていません。

PowerColor:標準2年保証

PowerColorはCFD販売代理店を担当していますが、標準保証期間は2年となっています。延長保証は提供されていません。

ASRock:標準2年保証(一部3年)

ASRockもCFD販売が代理店を務めますが、保証期間は2年に設定されています。なお、Amazonなどで販売されている一部モデルは保証期間が3年に延長されているものもあります。

GAINWARD:標準1年

GAINWARDは主にNVIDIA製グラフィックスカードを取り扱っており、ASKやNEWX社などが代理店を勤めていますが、保証期間は一般保証が1年のみになっています。

PNY:標準3年

PNYは主にASKが代理店を行っていますが、ほぼすべてのグラフィックスカードの保証期間は一般保証が3年付与された状態で販売されています。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (1件)

  • 日本は海外よりかなり製品価格も上乗せされプレミアム価格で高いのに保証まで削られてる。グレーどころか真っ黒なやり方

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