Nintendo Switch 2搭載予定のTegra T239の推定性能が判明。同等ハードウェア構成なら1080pでのレイトレーシングが快適に動作。

Nintendo Switch 2搭載予定のTegra T239と同等スペックのGPUでのベンチマーク結果が登場。1080pならレイトレーシングでも快適？

Nintendoは、2024年頃を見据えて現行のSwitchの後継モデルとなる新しいコンソールゲーム機、通称「Switch 2」の開発を進めています。2023年秋に開催されたGamescom 2023では、実際のハードウェア上で動作するゲームのデモが関係者限定で公開され、開発が順調に進行していることが示されました。

Switch 2に搭載される内蔵ハードウェアとしては、CPUにはCortex A78Cの8コアを、GPUにはAmpereアーキテクチャベースのものを採用し、CUDAコア数は1536基が活用されると予測されています。さらに、メモリはLPDDR5を128ビットインターフェースで接続し、帯域幅は最大で102GB/sに達する見込みです。

このハードウェア構成にも関わらず、Switch 2は比較的高い性能が期待されており、Digital Foundryはこのハードウェア構成と似たDell Vostro 5630を基に、Switch 2が発揮可能な性能の推測を行いました。

Dell Vostro 5630は、CPUにCore i7-1360P、メモリに16GBのLPDDR5を搭載しています。GPUはGeForce RTX 2050で、これはAmpereベースのGA107 GPUを使用しCUDAコア数は2048基です。RTX 2050はメモリ容量が4GB、バス幅が64ビットで、帯域幅は96GB/sに制限されています。このテストでは、Switch 2での動作を想定してGPUのクロック速度を設定可能な最小の設定である750MHzに設定されています。

Inside Nvidia’s New T239 Processor: The Next-Gen Tegra For Switch 2? – YouTube

まず、はじめにGamescom2023のデモで披露されたと言われている「The Matrix Awakens」のUE5デモは、今回のハードウェアではGPUメモリ不足により動作しませんでした。しかし、実際のSwitch 2では8GBから12GBの共用メモリが使用される見込みで、これによって動作する可能性は十分にあります。

メモリ不足が解決されれば、レイトレーシングを利用した「Fortnite UE5 with Lumen」、「Death Stranding」、「Control」、「Cyberpunk 2077」、そして「A Plague Tale: Requiem」などのタイトルが動作し、1080pではDLSSを有効化して30FPS以上のフレームレートを維持できていたとされます。また、一部のゲームでは1440pでのプレイも可能なパフォーマンスを発揮していたそうです。

ただし、プレイ中に狭い空間から広い空間への移動時や「Fortnite」で高台から降りるシーンなどでパフォーマンスが低下するケースが見られたとのことですが、これはバス幅がボトルネックとなった結果である可能性があります。しかし、コンソール専用の最適化によってパフォーマンスは向上する可能性があります。

Digital Foundryによれば、「Death Stranding」をDLSS 1080pで動かした際のフレームレートは約40fpsで、これを1440pにアップスケールすると34fps、4Kにすると20～25fpsに落ち込んだとのことです。これに基づいて、Switch 2がDLSSを最大限活用しても、ハードウェアの制限から4K解像度は難しいと結論付けられており、DLSSを利用した1080pでの動作が最も適切であると述べています。

Switch 2については2024年の秋頃に発売が予定されていますが、その頃でもほとんどの一般家庭では1080pのテレビが主流で、4K対応テレビやモニターを持つ家庭は少ないと考えられます。そのため、今回のDigital Foundryの推定通り1080pでレイトレーシングがそこそこ動作すれば、多くのユーザーは満足できると言えそうです。