ソニーは、1979年に初代ウォークマンとともに登場したヘッドホン「MDR-3」を復刻した「MDR-3R」を国内で発表し、11月20日に8,000円前後で発売します。ただ、初代の姿を受け継ぎながら接続はUSB-Cだけになっており、ソニーはウォークマンにつないで使うことを推奨していません。
ソニーのMDR-3Rが11月20日に8,000円前後で国内発売
MDR-3は、1979年に初代ウォークマン(TPS-L2)と同時に発売されたヘッドホンで、ソニーのH・AIRシリーズの第1号機です(初代ウォークマンに付属したのは派生モデルのMDR-3L2)。23mmのドライバーと当時のヘッドホンにはなかった軽さで、家の外で音楽を聴く使い方を広げたことから、ソニーのポータブルヘッドホンの原点とされています。



そのMDR-3を復刻したMDR-3Rを、ソニーは11月6日に国内で発表し、11月20日に発売します。市場推定価格は8,000円前後(税込)で、11月5日に発表と同時に発売された米国の59.99ドル(約9,500円、税別)や、11月に発売される欧州の59ユーロ(約1万円)より安く設定されています。Netflixのドラマとのコラボ版「MDR-3R ストレンジャー・シングスエディション」も同時に発売され、イヤーパッドを赤と黒にして、ソニーストアで数量限定、1万円前後で販売されます。
MDR-3Rは、初代の本体デザインと、耳をふさがないオープンエア型の作りを受け継いでおり、質量はケーブルを除いて約38gと、ソニーが現在販売しているヘッドバンド型のヘッドホンで最も軽くなっています。ドライバーは初代と同じ口径で新たに設計し、音はオリジナルに近づけたとしています。ブルーとオレンジのイヤーパッドは両方を同梱して付け替えられるようにしており、パッケージと取扱説明書も当時のデザインを踏襲しています。
MDR-3RはUSB-C接続のみで、ウォークマンでの使用は推奨外に
見た目と作りを初代から受け継いだのに対し、通話用のマイクとリモコンを備え、入力プラグはUSB-Cだけになっており、3.5mmのプラグや変換ケーブルは仕様に記載がありません。そのため、使えるのはUSB Audio Class 1.0(USBで音声をやり取りする共通の規格)に対応した機器に限られ、機種やOS、アプリによっては設定も要るとしています。また、ソニーは理由は明らかにしていませんが、同ヘッドフォンをウォークマンにつないで使うことを推奨していません。
有線ヘッドホンの売上が米国で5年ぶりに増加。手軽さと見た目の需要を狙う復刻か
MDR-3Rは充電もペアリングも要らず、挿すだけで音楽や動画を聴けるため、Bluetoothのヘッドホンより手軽に使えます。調査会社のCircanaによると、米国ではイヤホンを含む有線のヘッドホンの売上が、5年続けて減った後の2025年に3%増え、2026年の最初の6週間も前年より20%増えています。国内でも、SHIBUYA109 lab.が15〜24歳の女性を対象にまとめた「トレンド予測2025」で有線イヤホンがファッション・メイク部門に入り、無線が主流の若者には、首から垂らすおしゃれな小物として見られています。そのため、初代の見た目をそのまま復刻したMDR-3Rには、手軽さと見た目の両方で有線を選ぶ人の需要を取り込む狙いがあるとみられます。
接続がUSB-Cだけのため、MDR-3Rは、3.5mmのヘッドホンでは変換アダプタが要る2023年のiPhone 15以降のiPhoneやUSB-CのAndroidのスマホに、そのまま挿せます。そうしたスマホで外でも音楽を聴くなら、初代がウォークマンと一緒に持ち出されたように、見た目と軽さを受け継いだ有線のヘッドホンとしてMDR-3Rを選ぶ価値がありそうです。


