SK HynixがDDR5価格を最大20%値上げする予定。HBM優先でDRAM供給減少のため

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SK HynixがDDR5価格を最大20%値上げする予定。HBMの優先生産でDRAM供給が減少しているため

DRAMやNANDなどのフラッシュメモリーは、2023年まで供給過多と在庫過剰が続いていましたが、2023年頃から供給量が減少してきました。しかし、2023年の終わりにかけて、生成AI需要に伴うデータセンター投資の拡大や、冷え込んでいたコンシューマー向けPC需要の回復が重なり、2024年頃からDRAMやNANDフラッシュの供給価格は大幅に上昇しています。一方で、需要を上回る供給量の拡大は十分には行われていない状況です。

また、最近では生成AI向けの高い需要があるHBM(高帯域幅メモリ)の生産を優先するため、DRAM生産が減少しています。この状況を受け、メモリー大手のSK Hynixは、DRAM生産の減少にもかかわらず需要が高いことを背景に、DDR5などDRAM製品の供給価格を15〜20%ほど引き上げる計画であることが明らかになりました。

SK HynixはNVIDIAのデータセンター向けGPUに供給するHBM3eなどの生産を行っています。このHBM3eは単価が非常に高く、SK Hynixにとって収益の柱となりつつあるため、優先的に生産されています。そのため、DDR4やDDR5向けのDRAMを生産するラインのうち、20%以上をHBM生産に転用する計画とのことです。これに伴い、DDR5などの供給価格が値上げされる見通しです。

ちなみに、HBMの生産には標準的なDRAMの2倍程度のウェハ容量が必要であり、メモリーモジュールをミルフィーユ状に重ねて作るなど高度な生産技術が要求されます。そのため、歩留まりが低く、DRAMを含めた生産キャパシティーを圧迫する要因になっています。さらに、HBMは今後も需要拡大が見込まれており、新工場の建設などが進められていますが、DRAMに関しては過去に何度も供給過多に陥ったことがあるため、SK HynixだけでなくSamsungやMicronなど多くの企業が簡単に増産に踏み切れない状況です。そのため、2024年から2025年にかけては、DDR5などDRAMを使った製品が断続的に値上げされると予想されます。近いうちにDDR5で構成されるPCを組み立てたり、容量を増やしたりすることを考えている人は、早めに購入しておくことが賢明でしょう。

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SK HynixはHBMで高い収益を上げていますが、2024年から2025年にかけてもNVIDIAのBlackwell GPUなどHBMを大量に使用する製品が登場し、需要がさらに高まる見込みです。企業として、DRAMよりも収益が見込めるHBMに供給能力を割くのは仕方のない選択と言えるでしょう。最近のDDR5価格は円高の影響もあり、少し落ち着いていますが、SK Hynixの動きに他のメーカーも追従する可能性が高いです。さらなる円高を期待するよりも、値上げの方が先に来ると考えられるため、Ryzen 9000X3DやArrow Lake-Sの発売タイミングでDDR5を購入予定の方は、先にDDR5だけ購入しておくのも一つの選択肢かもしれません。

ソース

DRAM二哥大漲價 南亞科、威剛等營運添動能 | 経済日報

https://money.udn.com/money/story/11162/8159808

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