Intelが Raptor Lake 系CPU不具合をすべて修正したと明言。0x12B が最後のマイクロコードに

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Intelが Raptor Lake 系CPU不具合をすべて修正したと明言。0x12B が最後のマイクロコードに

Intelが2023年から発売した第13世代デスクトップ向けCPU「Raptor Lake-S」と第14世代「Raptor Lake Refresh」では、2024年頃からゲームがクラッシュするなどの不具合が相次いで報告され、大きな話題となりました。この問題に対してIntelが半年以上の調査を行った結果、Core i7やCore i9を中心とする8P+16E構成のダイを持つCPU製品において、CPUの動作を司るマイクロコードで過大な電圧が流れてしまう不適切な設定が見つかったことが明らかになりました。この過大電圧により、CPUの最小動作電圧（Vmin）が恒久的に上昇し（通称：Vmin Shift）、CPUの動作が不安定化することが判明しました。

IntelはこのVmin Shiftに関して、2024年8月までに3つの変更を行いました。

各社マザーボードでIntelの推奨ガイドラインを反映させた『Default/Performance/Extreme Profile』など3つのプロファイルを設定。これによりVmin Shiftの発生を抑制
Raptor LakeとRaptor Lake Refresh世代のCore i9にて高温時でも高動作クロックで動作しVmin Shiftを引き起こす可能性があったため、0x125マイクロコードを配信し修正
Raptor Lake系CPUで発生していたVmin Shiftの原因とも言えるSVIDマイクロコードの不具合の修正。この不具合はCPUに対して長期間、高い電圧を要求することでVmin Shiftを引き起こす可能性がありました。そのため、Intelは2024年8月に0x129マイクロコードを配信

特に2024年8月に公開された0x129マイクロコードはVmin Shift問題に対する解決策として捉えられていましたが、Intelは2024年10月に新たなマイクロコードを配信しました。

アイドル時または軽負荷時でも高い電圧を要求するケースが発覚しVmin Shiftを誘発する可能性があると発覚。0x12Bマイクロコードアップデートを配信。

このマイクロコードは、高負荷時に一般的に発生する高電圧に対して、アイドル時や軽負荷時でも高電圧に晒されてしまうことが明らかになりました。しかし、Intelによるとこの0x12BマイクロコードによりVmin Shift問題を誘発する不具合はすべて解決されたと、The Vergeのインタビューでも明らかにしています。

Yes, we’re confirming this is the cause and that it is fixed（はい、これらが原因であり、すべての問題は解決されました）
Intel広報　Thomas Hannaford via The Verge

そのため、この新しいマイクロコードに更新することでVmin Shiftに関連する不具合は発生しないと考えられ、消費者は安心してIntel製品を使用できるようになりました。

なお、Intelは不具合の修正と同時にVmin Shiftの影響を受けたCPUの保証交換を行っています。そのため、ゲームがクラッシュするなどの不具合に遭遇しているユーザーは、Intelサポートや販売店を通じて新品交換や場合によっては全額返金を受け付けてもらえます。この保証交換は、一般保証で定められている購入から3年に加え、第13世代のCore i7およびCore i9、さらに第14世代の一部Core i5、Core i7、Core i9には2年の特別延長保証も付与されます。そのため、Raptor Lake系CPUを購入したユーザーや今後、次世代CPUのArrow Lake-S登場後の値下げを狙ったユーザーなどもマイクロコードアップデートを適用した後はCPUを安心して利用できると言えそうです。