海外のテック系Youtuber『Linus Tech Tips』が動画制作を一時中断。不正確なレビューやセクハラ疑惑など。

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登録者数1500万人を誇るYoutubeチャンネル『Linus Tech Tips』が動画制作を一時中断。倫理的問題やスキャンダルが続出

テック系Youtuberと言うと海外最大のチャンネルは『Linus Tech Tips』でUSBを何個まで刺せるかなどやってみた系の小規模なネタ動画や自前のサーバーを自前プールを使って水冷するなどスケールのデカい動画から製品のレビューなどガジェットやPCパーツに関する幅広い動画を載せています。

このYoutubeチャンネルは登録者数は1500万人を超えるなどテック系Youtubeチャンネルとしては最大規模で、これだけの巨大規模のチャンネルを運用するために代表のLinus Sebastian氏はLinus Media Group(LMG)と言う会社を設立し、現在は従業員数が100人を超え、ShortCircuitやTerchquickieなど登録者数が200~400万人を超える派生チャンネル複数持つなどテック界隈においては絶大な影響力を持つメディア企業でもあります。

そんな、LMGですが過去に経験のない様なスキャンダルに見舞われてしまっています。

The Problem with Linus Tech Tips: Accuracy, Ethics, & Responsibility – YouTube

LMGの代表チャンネルであるLinus Tech Tips(LTT)は巨大なYoutubeチャンネルでありながらもスキャンダルに見舞われる事は無く最近ではLinus Tech TipsやLinus Media Groupを設立したLinus Sebastian氏がCEOからは降り、ASUSなどでマーケティングを担当していたTerren Tong氏にCEOを引きついでいますが、スキャンダルはLTTが公開した1本の動画によって同業であるGamersNexusがキレ、告発されました。

この発端はLTTおよび関連チャンネルで行われたLMGのラボツアーと称した新しい設備やベンチマーク環境などを行っている動画内である従業員が『私たちとGamersNexusやHardwareUnboxedとの違いは新しい製品が出る度に、新しいテストを毎回することです』と言う発言です。

この発言に対して、GamersNexusのSteve Burke氏はLinus氏と良好な関係を持っていたのですが、最近の動画にてLMGがここ最近の動画にて量を重視し、品質をおろそかにしており、動画やハードウェアレビューのエラー、倫理的な問題を強調した44分の動画をアップロードし、一気に注目を集めました。

この中ではRTX 4000シリーズのレビュー結果の不正確性やサイレント修正などレビュー動画の信頼性が著しく低い事に加えて最も批判を受けたのがBillet Labsから提供されたGPU用の水冷ブロック『Monoblock』のプロトタイプ版のレビューについてです。

このMonoblockのレビューでは製造元のBillet LabsはRTX 3090向けに開発が行われており、RTX 4090などでの動作は保証できないという忠告にも関わらず、動画ではRTX 4090を用いてテストし、最終的なレビューは『この製品にとって最良のシナリオは他のクーラーより僅かに温度が低い程度』と述べさらに『組み立てるための手間は最悪で、他のあらゆる冷却方法に対してメリットはほとんどありません』と結論付けていました。

さらに、LTTではBillet Labsから返却の要望を受けていたにも関わらず許可を得ずに同社が手掛けるイベント『LTX2023』のチャリティーオークションにMonoblockを出品し、$2550(37万円相当)の価値のあるプロトタイプを勝手に売却してしまいました。

この結果、Billet Labsはプロトタイプを失い開発が滞っている他、同時に提供したグラフィックカードについても返却が遅れているという事態が起きていたそうです。(ちなみにこの返却騒動は現在は解決済みのようです)

What do we do now? – YouTube

この一連の問題についてLMGでは謝罪と釈明動画を掲載し、動画制作を1週間程度停止し過去に掲載した動画の検証や内部プロセス改善に取り組むほか、動画の掲載頻度も大幅に落とす事で品質を重視する姿勢を鮮明にしました。

ただ、この謝罪動画においてユーモアを交えたり、自社のストアであるLTTストアの宣伝、動画の収益化がオンにされていた事から批判を新たに喰らってしまうなど動画の目的でもあった謝罪と釈明は成功したとは言えない様な状況になっています。

海外でCanceledされる一番の原因『セクハラ疑惑』も出現。

不正確なベンチマークや無許可でのレビューサンプル売却など悪質な点もありますが、この問題に更に火を注ぐ出来事が元従業員から登場しています。それが、Twitchなどで配信者を行っており元々はLMGで働いていたMadison Reeve氏の証言です。

彼女はX(旧Twitter)でLMGでの有毒な職場環境について明らかにしており、ある従業員からは暴言やセクハラを受けたほか、オフィスではいじめとも取れるような事を受けた後、動画制作の現場からは完全にシャットアウトされたとのことです。

海外ではセクハラ問題についてはかなり厳しくCanceled(日本で言う所の干される)される一番の要因となる事態ですが、この件についてSebastian氏はThe Vergeのインタビューに対して以下の通り発言しています。

これらの告発を読んでショックを受けていました、単純明快です。それらは私の記憶と一致しません。私たちの内部プロセスと一致しません。私たちの企業価値と一致しません。

安全で包括的な環境を維持することを誇りに思っています。既存の報告システム(匿名およびそれ以外)に加えて、今日は積極的に内部で連絡を取り、チームのメンバーに職場でのいじめや嫌がらせを報告して、迅速かつ断固とした措置を講じるよう奨励しました。

当社の人事チームは、告発のより徹底した評価を行い、準備ができたときには、より完全な声明を発表する予定です。今のところ、私たちのチームができるだけ徹底的に調査するために必要な時間を与えていただくようお願いします。

-LMG Vision Director Linus Sebastian

LMGのCEOであるTong氏は今後、不正確なレビューやレビューサンプル売却など企業の内部プロセスの検証に加えて上述のセクハラ問題について詳細な調査を行うために第三者の調査員を雇う予定である事を明らかにしています。

海外ではセクハラに対する問題は多くのファンやスポンサーを失う大きなキッカケともなり得る問題であるため、この不正確なレビューなどよりこちらの問題の方がLMGにとっては重大と言えそうです。

Linus Tech Tipsに関しては元々NCIXと言うカナダのコンピューター販売店で働いていたのですが、自社で販売する製品のアピールのために2007年頃からYoutubeで動画投稿を開始しています。この動画については当初、Youtube上で高価なPCやPCパーツなどをレビューする人が居なかった事から再生回数や登録者数は増え、その後にはNCIXを去り、2012年にはLinus Media Groupを設立し、チャンネル登録者数は2023年初旬には1500万人を超えるなど大きく躍進を遂げています。

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