Appleが9月に発表予定の折りたたみiPhone「iPhone Ultra」では、画面パネルの上下に超薄型ガラスを1枚ずつ挟んで折り目を抑える構造を採用したと伝えられ、今後GoogleやOppo、vivoなど折りたたみスマホで先行するメーカーも次期モデルでこの技術を採用することが明らかになりました。
折りたたみスマホで後発のAppleがiPhone Ultraで最先端技術を採用へ
iPhone UltraはApple初の折りたたみスマートフォンですが、ヒンジと折りたたみディスプレイの量産検証が難航していると伝えられ、内側パネルの折り目をどう抑え込むのか、その中身は伝えられていませんでした。
The Elecによると、その画面はOLEDパネルの上下に超薄型ガラスを1枚ずつ置く構造(Dual Ultra Thin Glass:デュアルUTG)を採用したとのことです。この構造を採用する背景には、折りたたみ市場に後発で入るAppleが画面の折り目の最小化と製品全体の品質を優先したことがあると考えられており、同種のガラスを上下に配することでパネル全体の剛性と折り曲げ時の応力をより精密に制御できると説明しています。
上側のガラスは数十μm(マイクロメートル)の厚さに加工したカバーウィンドウで、繰り返しの折り曲げに耐えながらも傷や衝撃から画面を守る役割を担い、下側のガラスはパネルを下から支えて、開閉のたびにヒンジ周辺へ集中する応力を分散し、パネル下部の剛性を補います。この上下にガラスを積層することで画面の傷耐性を高め、画面中央の折り目や繰り返しの折り曲げによる変形を抑えられる一方、1台あたりのガラスは1枚から2枚へ倍増するため、部材費に加えて貼り合わせ工程や歩留まりなどのコストが増え、これらのコストは内側ディスプレイの交換費用が18万円前後になるとの予測にも効いてくる可能性があります。
サムスン製スマホですら採用していない新技術。今後GoogleやOppo、Vivoは次世代モデルで採用予定
この上下2枚のガラスを組み合わせたパネルを作るのはサムスンディスプレイで、iPhone Ultraの内側パネルは同社製と伝えられてきました。ところが、同じサムスングループのサムスン電子が7月に発表したGalaxy Z Fold 8は、画面の上に単層のガラスを置き、OLEDパネルの下にはチタン合金フィルムと強化チタンプレートを重ねる別方式で、下側のガラスの代わりにこのチタン構造がパネルを支えて折り曲げの応力を分散しています。
単層構造は量産が安定していて工程も単純なため、ガラスを1枚足すコストと歩留まりの負担を避けられますが、折り目の抑え込みは下部の支持板とヒンジの改良に頼ることになり、実機では1週間の使用で折り目が再び見えるようになったと報告されています。同じグループ内でも、パネルを供給するサムスンディスプレイと端末を作るサムスン電子とで折り目対策の方式が分かれており、次のGalaxy Z Fold 9がどちらを採るかは今回示されていません。
そのサムスンディスプレイは、Google・Oppo・vivoの3社に向けても、各社の製品構造・厚み・耐久要件に合わせた上下2枚構造のOLED試作品を製造し、量産工程の条件を検証しているとThe Elecは伝えています。ガラスは同社のガラス供給パートナーであるDowoo Insysが上下とも供給し、サムスンディスプレイがパネルへ組み込んで各社へ納入する分担で、量産は各社の2027年の新製品投入に合わせるのが目標とのことです。
3社はいずれもブック型の折りたたみを展開しており、現行モデルはGoogleが8月に発表したPixel 11 Pro Fold、OppoがFind N6、vivoがX Fold6です。その次のモデルの投入時期については、業界筋がOppoを2027年第1四半期、vivoを同年上半期、Googleを同年下半期と見込んでいます。
Oppoとvivoは折り目と耐久性を折りたたみの売りにしてきた2社ですが、その2社も後から参入するiPhone Ultraと同じ構造へ乗り換えることになることから、このUTGには一定の優位性があるようです。そのため、Android勢がこのデュアルUTG採用製品を市販化するまでの一定期間は、Appleが折りたたみスマートフォンにおいて最も先進的な構造を採用することになります。
なお、iPhone Ultraは日本時間で2026年9月10日(木)2:00から開始のAppleの発表会で正式発表され、早ければ9月12日16:00から予約が開始される可能性があります。ただ、現状では供給数が非常に少ないとも言われているため、米国先行発売になる可能性もあるとされています。


