Apple初の折りたたみiPhone「iPhone Duo」では、発売直後から内側画面がヒンジに沿って割れる不具合が報告されており、Appleも少数の端末で問題が起きていることを認めています。組み立てを担うFoxconnの従業員は、原因がヒンジにあるとの見方を示したうえで、Appleが供給を優先して品質検査の基準を一部緩めていたと明かしています。生産ラインでは、この不具合への対策としてすでに部材の一部を入れ替えたとのことです。
画面割れの原因はヒンジか。Appleは供給を優先して検査基準を一部緩和
10月23日に発売されたiPhone Duoでは、数回から数十回の開け閉めで内側画面がヒンジに沿って割れたという報告が中国やオーストラリアから出ており、割れるときには音がして、画面を横切る白い線も出たとのことです。Appleは10月26日(米国時間)に、少数のiPhone Duoで内側画面に問題が起きていることを認め、症状が出た端末は通常保証を通じて交換するとしていますが、原因は明らかにしていません。
iPhone Duoを分解したiFixitによると、割れが集まっているのは、ヒンジの中央でケーブルが通る隙間と、開いたときに画面の中央を平らに支える部品との境目あたりです。このヒンジは、閉じたときに画面をしずくの形に曲げて内側に収める作りで、閉じる途中で中央の支えが下がり、曲がった画面が入る場所を空けます。この支えが十分に下がらないと、曲がった画面がその上に乗って力が1か所に集まり、割れにつながる可能性があるとのことです。
組み立てを担うFoxconnの従業員も、中国の界面新聞の取材に対し、画面が割れた原因はおおむねこの分析のとおりだとしています。生産が追いつかない中、Appleが供給を確保しようと品質検査の基準を一部緩めていたため、画面に不具合のある端末が出回る確率もその分高くなっていたとのことです。9月時点では、最終組立の歩留まり(組み上がった本体のうち検査を通る割合)が6割強にとどまっており、Appleの従来基準のままでは生産が安定するまでに半年から1年かかるため、量産を早めるには基準を緩めるしかないと伝えられていました。
みずほ証券は、この基準がヒンジの仕様と画面の折り目にかかわるもので、緩めれば開け閉めが重すぎたり軽すぎたりする個体まで検査を通るとしていました。ヒンジは発表前から、供給元がAppleの基準に合う個体を1つずつ選んで納入していたほど出来の差が大きい部品です。そのため、基準を緩めたことで、以前なら検査を通らなかったヒンジを積んだ端末まで出回り、一部では使い始めてすぐに内側画面が割れる症状に見舞われたとみられます。
部材を緊急で入れ替えても生産に影響なし。年内は750万台規模を生産
Foxconnの従業員によると、生産ラインでは画面割れへの対策としてすでに部材の一部を緊急に入れ替えたものの、生産には影響が出ておらず、用意する台数の計画も変えていないとしています。年内に用意するiPhone Duoは、販売チャネルの関係者によると750万台規模とのことです。この750万台は、Appleが部品の発注を3割増やしても1,000万台に届かないとされた10月の計画の範囲内です。ただ、部材は入れ替えたものの、Appleは一部緩めた品質検査の基準までは元に戻していないとされています。
iPhone Duoは予約開始直後に注文しても到着は2027年1月下旬だったため、年明けの到着を待っている人に届く端末は、部材を入れ替えた生産ラインで作られることになります。そのため、入れ替えた部材で割れが防げるのであれば、発売直後に出回った端末より初期不良による画面割れが起きにくいiPhone Duoが、予定どおりの時期に届きそうです。また、既にiPhone Duoを入手できた人も、もし仮にヒンジの不具合で割れてしまった場合、無償交換ができるためもし不具合に見舞われたらAppleサポートへ問い合わせることが推奨されます。


