Intel LGA1851ではCPUの反り問題が解決へ。圧力を分散する機構が選択可能に
Intelが2021年に第12世代CPUのAlder Lakeから導入した新ソケットLGA1700では、CPUの形状が長方形に変更されましたが、CPUの固定方法は中央側面を押さえる形式のため、CPU中央部分がくぼむように反る問題が発生していました。この問題は直接的にCPUを劣化させることはありませんが、CPUクーラーとの接触が悪くなり、CPU温度が上がりやすくなる問題を引き起こしています。しかし、2024年に投入されるArrow Lakeと共に登場する新ソケットLGA1851では、このCPUの反り問題に対応した機構が用意されることが明らかになりました。
The reason the default one is implemented is because it had sufficient mechanical loading force for the chip under all conditions.
— Jaykihn (@jaykihn0) July 3, 2024
With the RL-ILM, the heatsink now needs to apply a minimum of 35lb of loading force onto the cpu to maintain proper operation.
ここ最近、Arrow LakeやLunar Lakeなどのリーク情報を提供しているJaykihn氏によると、IntelではCPUを固定するブラケットであるILM(Independent Loading Mechanism)について、現行のLGA1700で使用されているものと同じ設計のものに加え、CPUへの圧力を低減させたReduced Load ILMという新しい固定ブラケットを準備しているとのことです。
この2つのブラケットは各マザーボードメーカーが任意で採用を選択できるようになっており、LGA1700と同じ設計のブラケットではCPUへの負担が大きくなり、CPUが反るリスクがありますが、多くのCPUクーラーとの互換性が維持されます。一方、Reduced Load ILMはコストが最大$1高価ですが、CPUが反らない程度の低い圧力でCPUを保持する仕組みになっています。ただし、CPUを低い圧力で保持するため、適切に動作するにはCPUクーラーが35ポンド以上の圧力をかける必要があるため、一部のCPUクーラーとの互換性がなくなる可能性があります。
そのため、エントリーモデルやミドルレンジモデルについてはコストや互換性を考慮して従来通りのLGA1700のILMが採用される一方、ハイエンドモデルでは冷却性能を優先するため、新しいReduced Load ILMが採用される可能性が高いと言えます。
IntelのLGA1700系CPUで発生していたCPUの反り問題は、CPU温度を上げるなどパフォーマンスを重視する層から不評を受けていました。しかし、Arrow Lakeに対応するLGA1851からはこの問題を解消した製品が投入されるため、パフォーマンスを重視する層にとっては安心材料となりそうです。ただし、CPUクーラーの制約があるため、既存のCPUクーラーとの互換性がどの程度維持されるのかが気になるところです。
補足情報
Intel Arrow Lakeはデスクトップ向けCPUとしては初めてタイルアーキテクチャーを採用したCPUになり、ソケットもLGA1700からLGA1851に切り替えられます。
製品ジャンル | メーカー | 製品名 | 発売予定時期 |
---|---|---|---|
CPU | Intel | Intel Core Ultra 200 (Arrow Lake) | 2024年10月以降 |
コメント
コメント一覧 (2件)
ただ正方形にすればいいだけなのに、それはどうしても出来ない事情があるのかな
反るのは長方形だからっていうより単純にで大きくなったのとスプレッダーが薄いのが原因ですよ
LGA2011時代も大きいからって反り対策で互い違いのダブルカンチレバーつけたりしてますし。
その辺はデカかったAMDのスレッドリッパーなどでも対策があります、結局大きな紙がたわみやすいのと同じです。