IntelのLip-Bu Tan CEOが、CPUで長年競い合ってきたAMDのLisa Su CEOと、協力できる分野を探る話し合いをしたことを明かにしました。その協力は、AMDのチップをIntel 14Aで製造することになる可能性があります。
Intel CEOがAMDのLisa Su氏と協力の可能性を話し合ったと明かす
x86の命令を共同で決めるなど協力もしてきたIntelとAMDの間では、AMDのチップをIntelのファウンドリーで作る初期段階の協議が2025年10月に報じられ、12月にはAMDがサーバー向けの次世代製品でIntel 14Aの採用を検討しているとの分析も出ていました。
そんな中、Tan氏は10月24日にシリコンバレーで半導体業界団体のCASPAが開いたイベントの対談で、Su氏と協力できる分野を探る話し合いをしたことに触れたとのことですが、どの分野での協力かは明かされていません。この話はNVIDIAとの関係を語る流れで出たもので、AI向けの市場は競争と協力を同時に進められるほど大きく、1社ですべてを手がける必要はないとの考えを示したようです。
そのNVIDIAは、AI向けのGPUでIntelと競う相手ですが、2025年9月にはIntelへの出資と、GeForce RTXを組み込んだPC向けのCPUなどの共同開発を発表しており、2028年の次世代GPU(Feynman)ではI/Oダイの製造とパッケージングの一部をIntelに任せると報じられています。一方で、Tan氏はAMDと競い合うCPUについては首位を取り戻すことを強く決意していると、同じ対談で語っています。
協力の本命はIntel 14AでのAMD製品の製造か
Tan氏はファウンドリーについても、Intel 18Aがすでに量産に入っているとしたうえで、次のIntel 14Aでは、チップを設計するための資料(PDK)の0.5版を顧客に渡しており、0.9版に続いて2027年初めに量産向けの1.0版を出すと説明しています。Intelのファウンドリーで事業を大きくしたい顧客も複数いるとしています。
AMDとの協力の本命は、Intel 14Aを使ったAMD製チップの受託製造とみられます。Intelは2025年7月に、外部の大口顧客を得られなければ14Aの開発を止める可能性を示しており、顧客が14Aの採用を決めるのは2026年後半から2027年前半にかけてとみていました。そのため、サーバー向けで14Aを検討していると伝えられてきたAMDは、Intelが今まさに取り込みたい顧客と言えます。
Intelで作るのはサーバー向けが先行? RyzenはZen 7までTSMCで計画
AMDのRyzenについては、2027年前半に発売される見通しのZen 6世代がTSMCの2nmで作られ、Zen 7世代もCCDにTSMC A14を使う計画と伝えられています。
そのため、AMDがIntel 14Aでの製造を決めた場合も、RyzenにIntel 14Aが使われるのはZen 7より後の世代になりそうです。Intelは7月の決算発表で14Aの量産を2028年に始めると表明しており、AMDはサーバー向けCPUの需要が供給を大きく上回り始めているとしているため、Intelの工場で作られるAMDのチップは、2028年以降のEPYCなどサーバー向けが先になると考えられます。


