Google Pixel 9a のベンチマーク結果が登場。なぜかPixel 8aより低い性能に
Googleはまもなく次世代のエントリーモデルであるPixel 9aを3月19日(水)に発表し、翌週の3月26日に発売すると言われていますが、Pixel 9aのベンチマーク結果や高負荷時のサーマルスロットリング挙動など性能に関するリークが発表前に登場しました。
Pixel 9aはPixel 9シリーズと同じTensor G4を搭載し、CPU側には1Prime+3P+4Eの8コア構成になっています。これは先代のPixel 8a搭載Tensor G3に対してP-Coreの数が1コア減少し、全体のコア数も9コアから8コアへと減少しています。ただ、搭載されるArmアーキテクチャーが新世代になったことで、理論的にはTensor G3を超える性能が期待されています。


そんなPixel 9aベンチマークはAnTuTuとGeekbench 6の2つが登録されており、AnTuTuでは1049844ポイント、Geekbench 6ではシングルコア1530ポイント、マルチコアは3344ポイントを記録しています。
AnTuTu (Total) | AnTuTu (CPU) | AnTuTu (GPU) | Geekbench 6 Multi | Geekbench 6 ST | |
---|---|---|---|---|---|
★Pixel 9a | 1049844 | 260567 | 434441 | 3344 | 1530 |
Pixel 8a | 1072406 | 312775 | 379528 | 3407 | 1514 |
Pixel 9 | 1125355 | 321891 | 490471 | 4757 | 1980 |
Pixel 8 | 1017180 | 301485 | 342150 | 3843 | 1533 |
Pixel 9a(Tensor G4)のAnTuTuスコアは先代Pixel 8a(Tensor G3)と総合点ではほぼ同等ですが、CPUスコアが大きく下回っており、コア数減少の影響が顕著に表れています。また、Geekbench 6のスコアでもマルチコア性能はPixel 8aより若干低下していることが確認されています。
Pixel 9aのCPU性能が同じTensor G4を搭載するPixel 9に比べて低く、Pixel 8aと比べても伸びていない原因は、最適化不足の可能性も否定できませんが、Tensor G4のパッケージング技術の違いが大きな原因と推測されています。
上位機種のPixel 9シリーズに採用されているTensor G4はFOPLP(Fan-Out Panel Level Packaging)という放熱性に優れた技術を採用していますが、Pixel 9aなどのエントリーモデルは、コストを抑えるためにIPOP(Integrated Package on Package)という放熱性能が低いパッケージング技術が使用されています。そのため動作クロックを抑制せざるを得ず、Geekbench 6のシングルコア性能は同じCPUアーキテクチャーのPixel 9に対して20%程度も低下していると考えられます。
CPU性能ではやや期待外れの結果になっていますが、GPU性能はPixel 8a比で約14%の向上を示しているため、ゲーム用途ではPixel 8aより高い性能が期待できるかもしれません。

上述の通りPixel 9aはTensor G4の放熱性能がPixel 9搭載のTensor G4に対して低いほか、ベイパーチャンバーもエントリーモデルであるため備えていません。そのため、長時間負荷を与えた際にサーマルスロットリングが発生することが懸念されますが『CPU Throttling Test』ベンチマーク実施時にはピーク性能に対してテスト開始4分後には63%ほどに抑制されている様子が記録されています。ただ、この動きはPixel 8aとほぼ同じであるためPixel 9aが先代モデルに対してサーマルスロットリングしやすいという状態ではないほか、サーマルスロットリング時の性能もPixel 8aと同等レベルを維持しています。
Pixel 9aのベンチマークでは先代のPixel 8aに対して大幅な伸びは無く少々残念な結果にはなっていますが、Pixel 9aはラインアップ的にエントリーモデルに位置付けられているため先代モデルに対して性能向上を目指すよりはバッテリー持続時間やコスト面が重要視されるモデルになっています。そのため、今回のベンチマーク結果では現れていないバッテリー持続時間や発表時に明らかにされるであろう販売価格などがより注目されるポイントであると言えそうです。
Ravikumar | X (Twitter)
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