コンシューマPCの需要が回復しIntelはシェア奪還。ただしほとんどエントリー向けCPUの模様。

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コンシューマ向けPC市場でIntelがシェアを回復。一方でサーバー向けはAMDのシェアが続伸

Intel Regains On PCs, Loses In Servers Against AMD In CPU Market Share |CRN

コンシューマ向けPC市場は過去10年で最低の需要を記録し、コンシューマ向けCPUの出荷が収益の柱で、サーバー・データセンター向け製品のシェアをAMDに奪われていたIntelにとっては非常に苦しい市況でしたが、市場は底を打ち反転の兆しが見え始めているようです。

2023年第2四半期の各セグメント毎のCPU市場について調査会社のMercury Researchが発表を行い、各セグメント毎の販売状況やIntelやAMDそれぞれのシェアについて明らかにしています。

コンシューマ向けの出荷台数は反転も油断はできない展開?

2023年第2四半期のコンシューマ向けデスクトップおよびノートPCなどで採用されるCPUの出荷台数については第1四半期に対して20%以上増加し、過去10年で最低と言われていたPC市場が回復に向かっていることを示唆する内容になっています。楽観的な見方をすれば今後、第3、第4四半期にかけても販売状況は改善に向かうと見られていますが、Mercury ResearchのMcCarron氏によると各社が施していた在庫調整の影響も受けているため第3、第4四半期の結果がより市場の結果を反映するため今後の展開に注視する必要があるようです。

コンシューマ向けCPUはIntelがシェアを回復。

コンシューマ向けCPUのシェアについてはIntelが前四半期比で+6.4%のシェア増加を記録し、合計82.7%を記録しています。一方で、AMDについては微増に留まっているとのことです。

ただ、Intelのシェアが大きく伸びた理由は順風満帆ではなく、Chromebooksなどで利用されているCeleronやPentium、最近ではIntel ProcessorなどエントリーレベルのCPUが圧倒的に成長しておりIntelとしては単価が低くなっています。

コンシューマ向けCPUとしてArmなどが一時的に伸びていましたが、第1四半期のシェアは15.4%から第2四半期は12.5%に減少しています。これはArmベースのApple Mシリーズを搭載するApple製PCの出荷台数が減少したことが原因となっているようです。

なお、IntelとAMDは、Armに対して連続してPCセグメントシェアを成長させました。McCarron氏によると、Chromebooks用のIntel CPUの出荷がArm CPUよりも「はるかに速く」成長したと言います。

サーバー・データセンター向けではAMDのシェアが続伸。

AMDはコンシューマ向けCPUではあまり大きなシェアを獲得できていませんでしたが、サーバー・データセンター向けにおいては前年比で+4.6%を記録し、全体として18.6%を達成しています。これは第1四半期から0.5%増になっています。

この増加はサーバー・データセンター向けの投資が1年間低調だったものの、2023年から劇的に増加したことが要因となっているようです。

なお、McCarron氏によると「第2四半期の販売台数についてはAMDもIntelも増加はしている」とのことです。ただし、IntelがAMDに対してシェアを失った理由は単一ソケットのXeonや同社のNetwork and Edge Groupから販売されるXeonの出荷台数が減少したことがシェアに大きく影響しているようです。

Chromebook向けCPUの需要は増加。

Intelのコンシューマ向けCPUのシェアが伸びた理由はChromebooksであるとのことでしたが、Chromebooks向けのCPUについては需要が大きく伸びているようです。これはChromebookがコロナが大流行した2020年や2021年に学生向けのパーソナルデバイスとして普及したものの、その交換サイクルが来ていることが大きく需要が増えている要因となっているようです。

ただ、Chromebookの需要についてはIntel製CPUの需要は伸びているものの、最近はMediaTekのArm製CPUの需要も伸びておりChromebookによりx86系CPUの需要が伸び続けることはないようです。

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