AMDは最大192GBの統合メモリに対応する新世代APU「Ryzen AI MAX PRO 400」シリーズ(コードネーム:Gorgon Halo)を発表しました。300B以上のパラメーターを持つ大規模言語モデル(LLM)をローカルで実行可能としており、2026年第3四半期からASUS・HP・Lenovoなど主要OEMより搭載モデルが順次投入される予定です。
Ryzen AI MAX PRO 400は192GB統合メモリで300B+ LLMをローカル実行
Ryzen AI MAX PRO 400シリーズは、現行のRyzen AI MAX 300(Strix Halo)の後継となるワークステーション・エンタープライズ向けAPUです。CPUコアにZen 5、内蔵GPUにRDNA 3.5、AI処理用NPUにXDNA 2を採用しており、アーキテクチャー自体はMAX 300シリーズから据え置きとなっています。
最大の変更点は対応メモリ容量が128GBから192GBに拡大されたことで、内蔵GPU側にも従来の最大112GBから160GBまでをVRAMとして割り当てられるようになっています。これにより、300B以上のパラメーターを持つLLMをローカルで実行できるほか、複数のAIエージェントを同時に稼働させるエージェント型AIワークフローにも対応しています。
ローカルLLM実行向けの大容量統合メモリを搭載するプラットフォームとしては、これまでAppleのM4 Max/UltraやNVIDIAのDGX Sparkが選択肢の中心となっていましたが、x86クライアントで192GB対応に踏み込んだ製品はRyzen AI MAX PRO 400が初めてとなります。
3モデル構成。フラグシップはZen 5×16コアで55 TOPS NPU搭載
ラインアップは上位から順に「Ryzen AI MAX+ PRO 495」「Ryzen AI MAX PRO 490」「Ryzen AI MAX PRO 485」の3モデル構成で、いずれもベースTDPは55W、構成可能TDPは45〜120Wとなっています。各モデルの主な仕様は以下の通りです。
| モデル | CPUコア/スレッド | 最大クロック | キャッシュ | iGPU | NPU |
|---|---|---|---|---|---|
| Ryzen AI MAX+ PRO 495 | 16/32 | 5.2GHz | 80MB | Radeon 8065S(40CU・3.0GHz) | 55 TOPS |
| Ryzen AI MAX PRO 490 | 12/24 | 5.0GHz | 76MB | Radeon 8050S(32CU) | 55 TOPS |
| Ryzen AI MAX PRO 485 | 8/16 | 5.0GHz | 40MB | Radeon 8050S(32CU) | 55 TOPS |
フラグシップのRyzen AI MAX+ PRO 495は、前世代のMAX+ 395からCPU・GPUともに最大クロックが100MHz向上しており、NPU性能も従来の50 TOPSから55 TOPSへと引き上げられています。一方、CPUコア数やGPU CU数といったハードウェア構成自体はMAX 300シリーズと共通で、改良の中心はメモリ容量拡大とクロック向上にとどまっています。
今回のリフレッシュは、2028年頃の投入が見込まれる次世代Halo製品「Medusa Halo」(Zen 6+RDNA 5)登場までの中継ぎ的な製品となっており、性能面での飛躍を求めるユーザーはMedusa Haloを待つ選択も現実的といえそうです。
PRO版が先行展開。コンシューマー向け通常モデルは未発表
今回の発表はPRO(ワークステーション・エンタープライズ向け)モデルに限定されており、コンシューマー向けの通常Ryzen AI MAX 400「Gorgon Halo」については現時点で具体的なアナウンスは行われていません。Ryzen AI MAX 300シリーズが非PRO版を先に投入した経緯と比べると、今回はPRO版を先行させる順序で展開される見通しです。
なお、AMDは現行のRyzen AI MAX+ 395(Strix Halo、128GBメモリ)を搭載する開発者向けミニPC「Ryzen AI Halo」を3,999ドル(約64万円)から2026年6月に予約受付を開始する予定で、Ryzen AI MAX PRO 400搭載版についてはOEM各社からの製品投入を待つことになります。足元のメモリ価格高騰の影響もあり、192GBメモリを搭載するモデルでは国内価格が100万円を超える水準となる可能性が高いです。

