Google Pixel 9a と Pixel 9 シリーズとの差が明らかに。Gemini AIの主力機能や衛星SOSに非対応
Googleが3月19日に正式発表したPixel 9aは、上位モデルであるPixel 9シリーズに似たデザインを採用し、従来のPixel aシリーズと同様に一部機能も共通化されると見られていました。しかしPixel 9aは、コストダウンのために従来のモデル以上にPixel 9シリーズとの差別化が図られるようです。その一環として、Gemini AIの一部主要機能やPixel 9シリーズで新たに導入された衛星通信を利用した緊急SOS機能がPixel 9aでは非対応であることが明らかになりました。
Pixel 9aのチップセットにはPixel 9シリーズと同じTensor G4が採用されており、処理性能や基本的なAI性能はPixel 9シリーズと同等になると予想されていました。そのため、Googleが新たに導入したGemini AIなどのローカルAI機能も同じレベルで搭載されると期待されていました。
しかし、Ars Technicaが報じた内容によると、Pixel 9aのメモリー容量がPixel 9シリーズの12GBから8GBに削減されていることから、搭載されるGemini AIのモデルが異なる軽量バージョンへと変更されています。
Googleの説明によると、Pixel 9シリーズに搭載されるGemini AIは「Gemini Nano 1.0 XS(Extra Small)」というモデルですが、Pixel 9aではメモリー制約に対応するため「Gemini Nano 1.0 XXS(Extra Extra Small)」という、さらに軽量化されたモデルが採用されるとのことです。このAIモデルの変更に伴い、Pixel 9aではバックグラウンドでの常時起動が不可能となり、必要時にAIモデルをメモリーにロードする仕組みになるため、各種AI機能のレスポンスがやや遅延する可能性があります。また機能面においても、Gemini Nano XXSはPixel 9シリーズの主力機能である画像処理(Pixel Screenshot)や音声処理(Call Note)など一部のAI機能をサポートしないため、Pixel 9aではこれらが使用できないことになります。
また、AI機能だけでなく通信機能についてもPixel 9aとPixel 9シリーズの間には差別化が図られているようです。Android Authorityが伝えたところによると、Pixel 9aはPixel 8シリーズと同じExynos Modem 5300を搭載しているため、Pixel 9シリーズから新しく導入された衛星通信機能を利用した緊急SOSには非対応となります。
Googleはこれまで、独自のTensorチップセットを導入して以来、上位モデルに採用したものをPixel aシリーズにもそのまま流用していました。そのためPixel aシリーズは上位機種と機能面でほとんど遜色がなく、手頃な価格設定によりコストパフォーマンスが非常に高い製品として人気を博してきました。しかし今回のPixel 9aでは、Gemini AIの主力機能である画像や音声処理が削減され、衛星SOSにも非対応となるなど、上位モデルのPixel 9シリーズとの機能差が明確に設けられています。
そのため、Pixel 9シリーズに近い機能を期待してPixel 9aを検討しているユーザーは、両モデル間で実際にどのような機能差があるのかをしっかり確認した上で購入を検討する方が良いでしょう。
Google Pixel 9a 正式発表も発売日は不明。品質問題で発売は4月以降を予定
ただし、現時点では不具合によりPixel 9aの予約サイトは準備されていないため、Pixel 9aとPixel 9シリーズの間にどのような機能差があるのかの全容は明らかにされていません。
Meager 8GB of RAM forces Pixel 9a to run “extra extra small” Gemini AI | ars Technica
The Pixel 9a is missing this key safety feature from the Pixel 9 series | Android Authority
https://www.androidauthority.com/pixel-9a-satellite-sos-3536849
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