
ここ最近のグラフィックス系のトレンドとしては、グラフィックスの描写解像度以上にアップスケールするDLSSやFSRなどの他に、最近ではフレームを生成しフレームレートを向上させる技術などが登場していますが、AMDではこのフレーム生成機能をFidelityFX Super Resolution 3に組み込むことがGithub上に公開された情報から明らかになりました。
DLSS3.0に対抗するAMD。FidelityFX Super Resolution 3 (FSR3)で最大4フレームの生成機能を付与。一方でAMD専用化が行われる模様
NVIDIAやAMDでは向上するグラフィックス画質と負荷に対応するために、グラフィックカード内部で描写する解像度を下げ、出力時にアップスケーリングする技術をリリースしています。これが、NVIDIAではDLSS 2.0、AMDではFSR 2.0などで、NVIDIAの場合はAI処理を担うTensorコアなどを用いてアップスケーリングするなどし、画質とパフォーマンスを維持する事に成功しています。一方で、AMDのFSR 2.0ではAI技術は使わず、既存のパイプラインを活用してアップスケーリングを行うなどしています。
そんなアップスケーリング技術の次のステップとしてNVIDIAは2022年末にDLSS 3.0を発表、このDLSS 3.0ではフレームを生成し、フレームレートを向上させる技術で、GeForce RTX 4000シリーズ全モデルが対応していますが、AMDではこのDLSS 3.0に対抗するためにFiedilityFX Super Resolution 3(FSR3.0)を準備中で、今回このFSR3.0に実装されるフレーム生成機能や互換性に関する変更点などが明らかになりました。
Github上に掲載された最新のGPUOpenコードで明らかになった情報によると、AMDのFSR 3ではNVIDIAのDLSS 3.0に対抗するためにフレーム生成機能が実装される事が示唆されています。このフレーム生成機能に関しては、frameGenRatioが『4』まで設定が可能となっており、グラフィックカードが描写する1フレームに対して、最大4フレームの補間が可能になると見られています。DLSS 3.0のフレーム生成機能ではグラフィックカードから出力される1フレームに対して、1フレームの生成に留まっており、それ以上のフレーム生成は出来ない仕様になっていますが、AMDのFSR3においては4倍のフレーム生成が可能であるため、すべてが上手く行けばNVIDIAのDLSS 3.0に比べて高いパフォーマンスが期待できると見られています。ただ、AMDのFSR3については先代のFSR2と同様にAIに完全依存した機能にはならないと見られています。
NVIDIAがDLSS 3.0を投入した当時は多くのゲームでゴースティングやティアリングなど様々な問題が起きていましたが、AMDのFSR3でフレームを4倍生成した際にどのような問題が起きるのか、またそれらをどれだけ迅速に修正できるかが普及のカギを握っていると言えそうです。
AMDのFSRについては現在最新のFSR2はソフトウェアベースの機能であるため、ゲーム開発者が導入さえすればAMDのグラフィックカードのみならず、NVIDIAやIntel製グラフィックスカードでも動作する事が特徴となっていました。しかし、FSR3からはドライバー側にFSR機能が統合されると見られており、FSR1やFSR2のようにハードウェアには依存しない技術からFSR3ではハードウェアに依存する機能になると見られています。そのため、NVIDIAやIntel製グラフィックスカードでは動作しない事に加え、RDNAやRDNA 2など旧ハードウェアのサポートが行われない可能性があるようです。
なお、FSR3についてはGDC2023で存在は明らかにされたものの、それ以外に進展はありません。ただ、AMDではRadeon RX 7000シリーズのラインアップを数か月以内に拡大させる計画であるため、このFSR3については直近のComputex2023などで詳細が明らかにされるかもしれません。
