Youtubeが広告を本編動画に挿入してストリーミングする方法をテスト中
Googleでは2023年頃からYoutubeで広告ブロックを使用する事に対して警告文を表示し、広告ブロッカーを使った状態では動画の視聴をできないようにするなど厳しい対応を取り始めています。一方で、広告ブロッカーを開発する企業もGoogleの対応を回避する方法を度々編み出すなどいたちごっこが続いている状況なのですが、Google側はついに動画本体に広告を組み込んでストリーミングする実験を行っている事が明らかになりました。
YouTube is currently experimenting with server-side ad injection. This means that the ad is being added directly into the video stream.
— SponsorBlock (@sponsorblock@fosstodon.org) (@SponsorBlock) June 12, 2024
This breaks sponsorblock since now all timestamps are offset by the ad times.
日本ではあまり見られませんが、海外のYoutube動画では投稿動画内でスポンサーを紹介すると言った手法が多く、スポンサー紹介部分のタイムスタンプを共有し、当該時間をスキップするプラグイン『SponsorBlock』と言うものがあります。
そんなSponsorBlockがここ最近、タイムスタンプが合わないと言った不具合に悩まされていたようですが、どうやらYoutube側がストリーミング動画の中に直接広告を入れ込んでストリーミングしているケースがあることが原因調査の中で明らかになったとのことです。
現在のYoutube広告は広告動画は別動画で用意されており、これらを本編の動画と切り替える事で途中に広告が流れるようになっています。ただ、この動画の切り替えを検知して広告スキップする広告ブロッカーが多いことから、本編動画に広告を挿入してストリーミングすることで広告スキップを無効化する事をYoutube側は小規模ながら検証しているようです。
この本編動画内に広告を挿入してストリーミングする仕組みは再エンコードまでは行かなくても、動画を切り替えて広告を流す方法に比べてリソースを使うのは明らかですが、リソースを使ってでも広告ブロックの阻止を行いたい強い意志が感じられる内容になっています。
なお、動画内に広告が組み込まれるようになった場合、今以上に広告ブロッカー側が対策することが難しくなることに加え、Youtube動画をダウンロードする際にはストリーミング内に広告が挿入されているため、広告を含んだ動画もそのままダウンロードされる事になります。そのため、この変更に関しては影響範囲が大きく批判も浴びそうですが、そもそも広告ブロッカーもダウンロードもYoutube側は認めていないため、恐らくこのまま検証作業を進め、近い内に本格的にこの機能をリリースするものと見られます。
Youtube側は広告ブロッカーを無効化するために色々と対策をしていますが、いたちごっこ状態が続いているためYoutube側も最終手段に出ようとしているようです。この方法は簡単そうに見えますが、動画のカット、挿入、結合と言う作業が発生するためサーバー側のリソースを喰う事になるためすべての動画でこれを適用することは困難な気もします。そのため、本当に導入された場合は最初の方は登録者数が100万人以上いるような人気動画にのみ適用するなど、範囲を限定して活用する可能性がありそうです。
ただ、徐々にすべての動画に適用されると考えられますので、この機能が本当に投入された際に、広告ブロッカー側はどのような対抗策に出るのか注目です。
SponsorBlock | X (Twitter)
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