SiliconMotionが低発熱なPCIe Gen 5 SSDコントローラー『SM2508』の詳細を明らかに。TDP3.5W以内で最大14 GB/sの転送速度を実現。
PCIe Gen 5対応NVMe SSDでは10 GB/sを超える転送速度を実現しているものの、現在主流のPhison製のPCIe Gen 5対応コントローラーであるPhison E26についてはTDPが10W前後と言われており、多くのPCIe Gen 5対応NVMe SSDでは巨大なヒートシンクや小型ファンなどを搭載する必要があります。
そんな中でPhisonのライバルであるSiliconMotionは2023年夏に開催されたフラッシュメモリー関連のイベントであるFMS 2023にて低発熱、低消費電力なPCIe Gen 5対応SSDコントローラー『SM2508』を発表しましたが、中国で開催されたフラッシュメモリー関連のイベントMTS2024にてこのSM2508の詳細仕様について明らかになりました。
SM2508の詳細について示されたスライドでは、メモリーコントローラーはラージとスモールARM CPUを搭載し、最大1.25 GHzで動作するARM Cortex-R8を4コアと小型なARN Cortex-M0の合計5コアを搭載しています。
このコントローラー構成により性能は最大14.5 GB/sの読み取り性能と、14 GB/sの書き込み性能を実現し、250万IOPsと言う高い性能を実現しています。一方で消費電力については最大3.5W程度に抑えています。
現在主流のPhison E26では読み込み性能は最大14 GB/s、書き込みは11.8 GB/sで150万IOPsとなっている一方で消費電力は最大10W前後と言われているためSiliconMotionのSM2508に関してはかなり優れた性能を実現しています。
特にSiliconMotionのSM2508についてはTSMC 6nmを用いて製造が行われており、Phison E26で採用されている12nmより大幅に進んだプロセスが用いられています。これにより省電力化と高性能化の両立が可能となっていますが懸念点として12nmより6nmは圧倒的にコストが高くなっています。ただし、Phison E26コントローラーで必要となる高度な冷却機構はSiliconMotion SM2508を搭載する事で簡素化が可能となるため、価格面で両者にどれだけ差が生まれるのか今後の情報に注視していきたいです。
SiliconMotionではこのSM2508を搭載するNVMe SSDについては2024年頃から発売する計画になっています。
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