AMDがノートPC向けに8コアの3D V-Cache搭載CPU「Ryzen 7 9800HX3D」を準備していることが明らかになりました。L3キャッシュはデスクトップ向けRyzen 7 9800X3Dと同容量の96MBです。
Fire Range初の8コアX3D。デスクトップ9800X3Dとほぼ同スペックに
AMDのノートPC向けCPU「Fire Range」シリーズは、デスクトップ向けZen 5 CPUをノートPCに転用したHXシリーズの現行世代で、3D V-Cache搭載モデルは現在、16コア32スレッドのRyzen 9 9955HX3D(最大5.4GHz・L3キャッシュ128MB)のみです。ノートPC向けX3Dは2023年に初登場したRyzen 9 7945HX3D以来、いずれも16コアの最上位モデルだけで展開されており、8コアのX3Dはこれまで存在しませんでした。

リーカーの金猪升级包氏がWeiboで公開した情報によると、Ryzen 7 9800HX3Dは8コア/16スレッドで、ブーストクロックは最大5.1GHz、L3キャッシュは96MBとのことです。以前は「Ryzen 7 9755HX3D」の名称で噂されていましたが、デスクトップの9800X3Dに近い現在の名称に落ち着いたとされています。同氏は2024年11月にもAMDの2025年製品ラインアップをリークし、Fire RangeやStrix Haloの投入を的中させた実績があります。
96MBというL3容量は、8コアCCDのネイティブ32MBに64MBのV-Cacheを積んだ、デスクトップ9800X3Dと同一の構成とみられます。9800X3Dでは3D V-Cacheの上にCCDを載せる実装へ変更したことで冷却の制約が緩和されており、ノートPC向けの9800HX3Dでもブーストクロックは9800X3Dの5.2GHzから100MHz低いだけの5.1GHzに収まっています。
加えて8コアの単一CCDはCCDを跨ぐレイテンシーが発生しないため、デスクトップでゲーミング用途では9950X3Dより9800X3Dが選ばれるのと同じ流れが、ノートPC向けCPUでも起きると考えられます。
量産はQ4 2026。dGPUの縛りなしで搭載機は広がるか
この9800HX3Dは2026年第4四半期に量産を開始し、最初の搭載ノートPCは2026年末近くに登場する可能性があるとのことです。AMDはFire RangeなどのHXシリーズをCESで発表してきた経緯があるため、本格展開の場はCES 2027とみられます。なお、AMDは9800HX3Dの存在も仕様も確認しておらず、ベースクロックやTDP、価格、搭載予定の製品名も現時点では不明です。
また、AMDはノートPCメーカーに対して特定ティアのdGPUとの組み合わせを要求しない方針とされており、GeForce RTXやRadeonモバイルの幅広いGPUと組み合わせられることから、ハイエンド機に限らず幅広い価格帯のゲーミングノートに載る可能性があります。量産が2026年第4四半期なら搭載ノートの実売が本格化するのは2027年前半になるため、もしCPU性能を重視したX3D搭載ノートPCを考えているなら、2027年初頭の正式発表と搭載機の登場を待つ価値がありそうです。


