AMD Ryzen 7 8700GEのベンチマークが登場。性能は23%低下、消費電力は半分とワットパフォーマンス高め
AMDでは2024年1月末にZen 4とRDNA 3を内蔵したデスクトップ向けAPU、Ryzen 8000Gシリーズを発売しましたが、AMDはこのRyzen 8000Gシリーズに対して消費電力を65Wから35Wに減らしたRyzen 8000GEシリーズを追加予定です。
今回、Ryzen 8000GEシリーズの中で最上位モデルのRyzen 7 8700GEのエンジニアリングサンプルをドイツのレビューワー、GucksTVが入手しゲーミング性能などを検証しています。
Ryzen 7 8700GEはRyzen 8000Gシリーズとコア数などは同じですが、TDPは65Wから35Wに引き下げられているだけであまり大きな違いはありません。ただ、こちらはエンジニアリングサンプルであるため、市販版では仕様が変わる可能性があります。
ベンチマークの結果ではCPU性能はシングルコア、マルチコア共にRyzen 7 8700Gに対して10~20%程度性能が下がります。また、グラフィックス性能についても使える電力が少なくなっているため、最大28%の性能低下が見られます。
Ryzen 7 8700GE | Ryzen 7 8700G | 8700GE vs. 8700G | |
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Cinebench R15 (シングルコア) | 270 | 272 | -1% |
Cinebench R15 (Multi-Core) | 2718 | 3287 | -17% |
Cinebench R20(シングルコア) | 665 | 773 | -14% |
Cinebench R20 (Multi-Core) | 6830 | 8468 | -19% |
Cinebench R23(シングルコア) | 1713 | 1879 | -9% |
Cinebench R23 (Multi-Core) | 17430 | 22121 | -21% |
CPU-Z (Single-Core) | 667 | 677 | -1% |
CPU-Z (Multi-Core) | 6299 | 7222 | -13% |
Geekbench 4 (Single-Core) | 7796 | 7970 | -2% |
Geekbench 4 (Multi-Core) | 42040 | 50062 | -16% |
Geekbench 5 (Single-Core) | 1864 | 1865 | 0% |
Geekbench 5 (Multi-Core) | 10801 | 12986 | -17% |
Unigine Valley High 1080p | 2800 | 3413 | -18% |
Unigine Heaven Extreme | 718 | 1003 | -28% |
Unigine Superposition Medium | 4134 | 5718 | -28% |
3DMark TimeSpy (GPUスコア) | 2694 | 3303 | -18% |
最大消費電力 | 42W | 88W | -52% |
性能が下がっているRyzen 7 8700GEですが最大消費電力については大きく下がっており、Ryzen 7 8700Gの最大88Wに対して42Wと半分以下に下がっています。そのため、性能は下がるもののワットパフォーマンスの観点で言うと性能はかなり上がっています。
実際に、CPUの温度はRyzen 7 8700Gは最大70.5℃が記録されていますが、Ryzen 7 8700GEは最大52.6℃とかなり低くファンレスPCなど冷却性能に限りがある環境に最適なCPUになっています。
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