AMDからリリース予定のモバイル向け最上位モデルとなるRyzen 9 5900HXですが、新たなGeekbenchスコアが出現し、動作クロックも判明しました。
AMD Ryzen 9 5900HXの概要
AMDのRyzen 9 5900HXはゲーミング用のラップトップPCに搭載される、AMDのモバイル向けCPUでは最上位モデルとなります。コア数やL3キャッシュの容量などはCezanne-Hと同じく8コア、16スレッドでL3キャッシュは16MBとなっています。
モデル | 開発 コード | コア/ スレッド | ベース クロック | ブースト クロック | L3 キャッシュ | GPU コア数 | GPU クロック | TDP |
Ryzen 9 5900HX | Cezanne H | 8/16 | 3.30 GHz | 4.60 GHz | 16 MB | TBD | TBD | 35-45W |
Ryzen 9 5900HS | Cezanne H | 8/16 | 3.10 GHz | 4.50 GHz | 16 MB | TBD | TBD | 35-45W |
Ryzen 7 5800H | Cezanne H | 8/16 | 3.20 GHz | TBD | 16 MB | 8 CUs (512 SP) | ~2000 MHz | 35-45W |
Ryzen 5 5600H | Cezanne H | 8/16 | 3.10 GHz | 4.10 GHz | 8 MB | TBD | TBD | 35-45W |
モバイル向けなのに、デスクトップ向け Core i7-10700K並みの性能
今回、スコアが出現したモデルはASUS ROG Zephyrus Duo 15 SEと呼ばれるASUS製のハイエンドゲーミングラップトップです。ちなみに、この製品はキーボード奥のデッドスペースに画面が詰められており、Core i9-10980HKを搭載するモデルでは50万円近くします。
ベンチマーク結果では、Ryzen 9 5900HXは、シングルコア性能では1534pt、マルチコアでは9015ptを記録しています。数日前、Ryzen 7 5800HのGeekbenchスコアが出現した際にはシングルコア性能では1475pt、マルチコア7630ptであった事から、シングルは約4%、マルチコアは約18%高いスコアとなっています。両CPU、ベースクロックは3.3GHzとなっていますが、ブーストクロックがRyzen 9 5900HXの方が250MHz高くこの差がスコアに貢献しているものと考えられます。
また、現行のAMDモバイル向けCPUで最上位モデルであるRyzen 7 4800Hと比べると、シングルコアは41%、マルチコアは36%と圧倒的な差があります。
モデル名 | シングルコア性能 | マルチコア性能 | シングルコア 性能差 | マルチコア 性能差 |
AMD Ryzen 9 5900HX | 1534 | 9015 | 100% | 100% |
AMD Ryzen 7 5800H | 1475 | 7630 | 96% | 85% |
AMD Ryzen 7 5800X※ | 1661 | 10356 | 108% | 115% |
Intel Core i7-10700K※ | 1350 | 8982 | 88% | 100% |
AMD Ryzen 7 3800X※ | 1291 | 8963 | 84% | 99% |
Intel Core i7-10875H | 1209 | 7010 | 79% | 78% |
Intel Core i7-10750H | 1147 | 5535 | 75% | 61% |
Intel Core i9-9980HK | 1113 | 6504 | 73% | 72% |
AMD Ryzen 7 4800H | 1090 | 6608 | 71% | 73% |
AMD Ryzen 7 4800HS | 1081 | 6755 | 70% | 75% |
Intel Core i9-8950H | 1068 | 4786 | 70% | 53% |
※デスクトップ向けCPU
また、デスクトップ向けと比べると、Ryzen 9 5900HXは圧倒的な性能を持つことが分かります。例えばIntelのデスクトップ向けCPUであるCore i7-10700Kに対しては、シングルコア性能では上回り、マルチコアでは同等性能となっており、Ryzen 7 3800Xに対してはすべてでRyzen 9 5900HXが上回っています。
AMD Ryzen 9 5900HXは恐らく、20万円以上するハイエンドゲーミングラップトップにしか搭載されないCPUとなりそうですが、このようにベンチマーク結果だけを見るとデスクトップ向けCPU顔負けの性能を持つことが分かります。今回のCPUはTDPが35-45W帯の製品ですが、TDP10-25W帯でも高い性能がベンチマークなどで度々確認されており、来年のラップトップ、タブレット市場はRyzenを積んだ製品が今以上に出現しそうです。
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