AMDでお蔵入りになったRDNA4最上位GPUの構造が判明。CoWoSを採用だが、これが発売中止の要因に?

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AMDのRadeon RX 8000シリーズで採用されるはずだったRDNA4最上位GPUの構造が判明。CoWoS採用のMCM構造が発売中止の要因だった?

AMDでは現行のRDNA 3搭載のRadeon RX 7000シリーズの後継としてRadeon RX 8000シリーズを2024年頃に投入を計画していると言われています。このRadeon RX 8000シリーズには搭載されるGPUとして、RDNA4アーキテクチャーが採用されると見られていますが、このRDNA4についてはハイエンドGPUは開発が難航しており、リソースをRDNA5などに割くために開発および投入が中止されるというリークが登場しています。

今回、そんなRDNA4の最上位GPUについてMoore’s Law is DeadがAMD社内で共有されたと見られるアーキテクチャー構造のスライドを入手し、このGPUの複雑な構造が明らかにしています。

RX 8900 XTX Design Leak, Navi 43 Hopes, Nvidia Exiting High End, AMD FSR 3 | Broken Silicon 218

Navi 4Cは今までのAMD製GPUであるNavi x1、Navi x2、Navi x3とは異なるGPU SKUになっており、Navi 4CはRDNA4は最上位GPUであると見られています。

このNavi 4CのスライドはGPUの断面図を示しており、基板の上に複数のダイを載せるTSMCのCoWoSパッケージが採用されます。このCoWoS上は3層構造になっており、基板の上に複数のAID(Active Interposer Die)とMID(Multimedia and I/O Die)と呼ばれるダイが載せられています。このAIDとMIDはそれぞれ左右にはブリッジで接続され、その上に搭載されるSED(Shader Engine Die)との相互接続に用いられています。

SEDは名前の通りシェーダーユニットを搭載しており、グラフィックスの描写を担当する領域になっており、RDNA 3では実現できなかったGPUダイ自体のMCM化を実現しているようです。

この構造についてはAMDが2022年に申請した特許と酷似しています。特許では複数のベースダイ(AID)に対して、ブリッジで接続が行われ、その上にはVIRTUAL COMPUTE DIEと呼ばれるダイが搭載されています。さらに詳細の図としてはVIRTUAL COMPUTE DIE内には上述のSEDが複数搭載されていたり、キャッシュなどがそれぞれ搭載されているようです。

AMD RDNA4搭載のRadeon RX 8000はミドルレンジのみに。ハイエンドモデルは開発難航中の模様。

このNavi4Cについては冒頭て解説した通り過去のリークで開発および投入は中止されたと言われています。この理由としては開発難航なども挙げられていましたが、このGPUの実現にはTSMCのパッケージング技術であるCoWoSが必要となります。

このCoWoSについてはAMDおよびNVIDIAのエンタープライズ向けGPUで最近は生成AI用途で高い需要を持つAMD Instinct MI300やNVIDIA Hopper H100などで採用されているものの、生産能力が需要に追いついておらずこれらのGPUでは納期が1年近くかかっています。

このCoWoSはTSMC側も増産を進めているものの、AMDとしては開発難航に加えCoWoSの生産能力を収益を取りにくいコンシューマ向けで利用するよりもInstinct MI300や次期型のMI400などに生産能力を振り分けたほうが利益を取りやすいこともRDNA4の最上位モデルのNavi 4C投入中止の一因になっていると言えそうです。

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