AMD Radeon 6700が登場。売れ残ったマイニング用GPUを転用した模様

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AMDではアッパーミドルレンジ製品としてRadeon RX 6700 XTをリリースしていますが、これの下位モデルにあたるRadeon 6700をSapphireが発表、2022年6月9日から発売をするとの事ですが、このGPU実はマイニング用GPUを転用したモデルであると見られています。

目次

AMD『Radeon 6700』RXもXTも付かないモデル。

SAPPHIRE makes Radeon 6700 official, first RDNA2 graphics card without ‘RX’ – VideoCardz.com

AMDのRadeonを主力に扱うAIBである、Sapphire社では2022年6月9日にRadeon 6700を発売する事を発表しました。

このRadeon 6700はRadeon RX 6700 XTと同じNavi 22 GPUを搭載しています。ただ、Radeon RX 6700 XTと比べるとCompute Unitが40基(2560コア)から36基(2304コア)に、VRAM容量は12GBから10GB、バス幅は192-bitから160-bitに減り、Infinity Cacheも96MBから80MBに減らされています。

また、動作クロックもベースが2330 MHz、ブーストが2495 MHzとNVIDIA製GPUと比べると高いものの、Radoen RX 6700 XTと比べるとベースは94 MHz、ブーストは86 MHz引き下げられています。

GPUモデル AMD Radeon RX 6750 XT AMD Radeon RX 6700 XT AMD Radeon 6700
GPU Navi 22 KXT Navi 22 XT Navi 22 XL
Compute Units 40 40 36
Stream Processors 2560 2560 2304
ゲームクロック 2495 MHz 2424 MHz 2330 MHz
ブーストクロック 2600 MHz 2581 MHz 2495 MHz
VRAM容量、仕様 12 GB GDDR6 + 96 MB Infinity Cache 12 GB GDDR6 + 96 MB Infinity Cache 10 GB GDDR5 + 80 MB Infinity Cache
VRAMバス幅 192-bit 192-bit 160-bit
VRAM速度 18 Gbps 16 Gbps 16 Gbps
帯域幅 432 GB/s 384 GB/s 320 GB/s
TDP 250W 230W 220W

仕様だけ見ると、Radeon 6700はRadeon RX 6700 XTの非XT版と言っても良さそうですが、このグラフィックカードの本来の目的はゲーミング用GPUであるRadeonのために作られたものでは無かったようですがやむを得ないRadeon化がされた可能性があるモデルになっています。

2021年末に発表されたマイニングGPU『BC-2235 GPRO X080』がベース。売れ残りを転用か?

Sapphire社ではまだマイニングに活気があった2021年11月にモバイル向けのRadeon RX 6700MをベースとしたGPRO X080を発表しています。

このGPRO X080の仕様はNavi 22 GPUを搭載し、CUは36基でコア数は2304基、VRAMは10GBでバス幅も160-bitとなっており、外観も今回発表されたRadeon 6700と偶然にも一致しています。

Videocardzでも、GPRO X080とRadeon 6700が偶然一致している点について指摘をしていますが、恐らくこのGPRO X080が発売された時期的にマイニング需要はあったものの1ヵ月も経たないうちにエネルギー価格の高騰やEthereum価格の下落によりマイニング需要は激減、本来はマイニング用に発注したNavi 22 GPUを使い切るためにRadeon 6700と言う名でゲーミング用GPUを発売したと見られています。

NVIDIAではマイニングブームに乗じて作ったCMP-HXシリーズは当初は高い売り上げを記録したものの、今ではほとんど売れておらず恐らく在庫が多く残っているものと見られています。同じ事はAMD(Sapphire)でも起きていると見られており、Sapphireではその損失を少しでも抑えるためにRadeonシリーズとして売る事を決めたようです。このRadeon 6700は元々はGPRO X080でその元はRadeon RX 6700Mという事でパフォーマンス面ではRadeon RX 6700 XTとRadeon RX 6600 XTの間と言うよりは、Radeon RX 6600 XTを少々上回る程度のパフォーマンスになるのでは無いかと見られています。

なお、このRadeon 6700の販売価格については不明ですが、ほぼ同じ仕様のGPRO X080が10万円で売られていたためGPU販売価格が落ちているとはいえ、安く販売される事に期待しない方が良いと思います。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

  • GPGPUとしてゲーミング以外の目的利用のためにも多大なる負担やマーケティングをしてきたのに
    世間の圧力に負け、制限をせざるを得なくなったGPUメーカーの末路
    今後は制限モデルを出すな、コレユーザーもメーカも得してるのか?

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